【F1 日本GP】観客席から見た鈴鹿F1…懐かしマシンのデモランに前夜祭、イベント盛りだくさん

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今年の鈴鹿F1のキャッチフレーズは「語り継ぎたい走りがある。」だった
今年の鈴鹿F1のキャッチフレーズは「語り継ぎたい走りがある。」だった 全 17 枚 拡大写真

10月13日までの3日間、鈴鹿サーキットでF1日本GPが開催された。今年の鈴鹿F1は、1987年の初開催から25回目となる記念レースだったが、一方で日本人ドライバーは走らず、日本メーカーの参戦もなく、地上波の放送もない三重苦の中での開催となった。

幸い今年は秋晴れに恵まれたが、3日間の観客数はピークだった2006年の約半分、過去最低の約17万人だったという。果たして現地の状況はどうだったのか? 観客席から見た、生のF1をリポートする。

◆土曜日のフリー走行3回目から観戦スタート

心配だった台風がさっさと通り過ぎ、好天に恵まれた今年の鈴鹿F1。フリー走行の3回目と予選が行われた土曜日も、抜けるような秋晴れになった。渋滞と駐車場が心配だったが、まだ予選日の午前中ということもあり、思ったよりスムーズにサーキットに辿り着いた。駐車場も民間のところはまだけっこう空きがあるようだ。

1コーナーゲートからサーキットに入ると、すでにフリー走行が始まっていた。メインストレートから1コーナーに向かって減速する時の「バーーン! バッ! バッ! バッ! バッ!」という音がコース外まで相当なボリュームで聞こえてきて、思わず小走りになってしまう。

チケットは2コーナー近くの、1コーナーからS字までが見渡せる場所。スタンド内に入ると、目の前をF1マシンがあり得ない速度で駆け抜けてゆく。見慣れたツーリングカーとは別格の速さ、別格の爆音。特にコーナーの立ち上がりで排気管が観客席の方を向く瞬間は、耳の奥がビーンとしびれるほどの衝撃波が襲ってくる。思わずカバンの中に入っていたイヤープラグを取り出した。ちなみに来年からはレギュレーションが大きく変わり、エンジンが1.6リッターV6ターボになるから、V8サウンドは今年で聞き納めということになる。

フリー走行なので観客はまばらだったが、F1マシンが一台ずつ走るのをじっくり観察するのも、本番レースに劣らず充実した時間。チケットは3日間の通しだから、これを楽しまないのはもったいない。

◆予選はバックストレートでチェック

予選までの空き時間は、コース沿いを歩いて過ごした。逆バンクから、いったん一般道に出て、デグナーの裏を通り、再びゲートをくぐって西ストレート(バックストレート)近くの小高い丘に登る。ここはチケットの種類に関係なく観戦できる「エキストラビューエリア」(EX)の一つ。眺めは最高で、吹き抜ける秋風も気持ちいい。その後、ヘアピンやシケインにも行ってみたが、予選はこの丘の上から見ることにした。

予選は14時にスタート。F1独特の甲高い排気音が聞こえたかと思うと、マシンがスプーンカーブを立ち上がり、眼下のバックストレートを鈴鹿でのトップスピードとなる300km/hオーバーで駆け抜けてゆく。そして130Rをほぼそのままのスピードでクリアし、消えてゆく。横にいた人がそのコーナリングスピードを見て「あり得ない」と呟いた。

予選トップはレッドブルのウェーバー。2位は4連勝中でタイトル獲得に王手をかけているベッテル。3位にはメルセデスのハミルトン。4位にはロータスのグロージャンが割って入った。

◆真っ暗な鈴鹿サーキットにティレルのサウンドが木霊した

予選が終わって日が暮れると、グランドスタンドで前夜祭が始まった。2輪レースの8耐ではおなじみの前夜祭だが、F1で行われるのは珍しい。

メインストレートにはデモラン用に、元F1ドライバーの中嶋悟氏が現役時代に走らせた青白のティレル019(1990年)と、キャメルカラーのロータス101(1989年)が運び込まれた。ロータスの方は残念ながらエンジンに火が入らず、この夜は走行できなかったが、ティレルの方は中嶋氏の長男で、元F1ドライバーの中嶋一貴選手がステアリングを握り、真っ暗な鈴鹿サーキットを走りだした。コスワースDFRの3.5リッターV8サウンドが、鈴鹿の夜空に木霊する。

その後、会場には鈴木亜久里氏や、昨年の鈴鹿で3位表彰台を獲得した小林可夢偉選手が登場してトークショーが行われた。満員のグランドスタンドには、可夢偉選手の来季シート獲得を願う「カムイコール」が響きわたった。

ちなみに、トークショーが進行する中、すぐ隣りのメインストレートやピット前には、各F1チームのメカニックやスタッフがランニング姿で100人ほど集まり始め、準備運動を始めた。何だろうと思っていると、やがて真っ暗な国際コースを舞台にマラソン大会が始まった。トークショーを行っていたF1解説者の今宮純さんによると、これはF1では恒例のイベントだそうだ。こうして土曜の夜は更けていった。

《丹羽圭@DAYS》

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