NECは、自動車や歩行者、自転車などの対象物を検出して、それぞれの距離や速度、移動方向を同時に理解する技術を参考出展。単眼カメラでステレオカメラ並みの精度を実現しているという。
開発を手がけるNEC北米研究所の佐藤志幸ダイレクターは「ステレオカメラで距離を計算するのが一般的だが、ステレオカメラはキャリブレーション(較正)が必要になる。それがずれてしまうと大幅に誤差がでてしまうので、定期的にやらなければいけない。われわれの提案は単眼で同じ性能が出せれば少なくともキャリブレーションも要らなくなり、良いのではないかというもの」と語る。
その仕組みは「自分のカメラが動いているという前提で複数のフレームをみて、それをもとに距離を計算する技術を使っている。さらに乗用車、バン、バス・トラックなどの大型車、自転車、バイク、それに人間の6つの対象物を理解した上で、その対象物がどちらに向かって動いているか、向きと距離を計算する」というもの。
ただ「現時点では日中の映像でしかやっていない。基本的には日中の明るい状態でしっかり認識して使えるものにする。その後で夕方、雨などの天候も含めてやっていく。これから半年から1年かけてチューニングしていくことになる」としている。