ITS世界会議に、日立グループは、展示ブースで公共インフラを中心する「スマートモビリティ」の実現に向けた、ITSアプリケーションとテクノロジーを紹介した。
展示ブースをみると、パネル展示が多い中、実物の製品としてスバル『フォレスター』が展示され、日立オートモティブシステムズが開発に携わり実用化された安全支援システムとしてアイサイトを紹介していた。
日立製作所ソリューション推進本部の赤木寛氏は「アイサイトで象徴的だったのは、カメラというデバイスを通じて、それまでクラリオンで行っていた領域と、日立オートモティブシステムズの行っているサスペンションやブレーキの制御システム、エンジンをコントロールするECUの領域、両者の領域を橋渡す概念が生まれてきたことです」と話した。
加えて「ITSの領域に関しては、我々は車を作っていないので、自動車メーカーのニーズを、どうやってそのデバイスで実現させるか、アプリケーションを含めて提案しなければなりません」と説明する。
ITS世界会議のテーマにもなっているビッグデータ。集まってくる膨大な情報を処理して役に立つ情報に変換するのは、一つのテクノロジーとなる。そういう意味ではアイサイトもカメラから集まる膨大な映像情報の中から安全に関わる情報を切り取って車の制御に生かす技術、ユーザーには安全運転支援としてフィードバックされ、一つの車両の中でビッグデータの活用が完結しているシステムともいえる。
「スマートモビリティ」の実現に向け、デバイスのみならずアプリケーションを提案できる強みをアピールした日立グループの展示、赤木氏は「日立も昔は大規模なプラントに向けた製品や技術が主流となっていましたが、現在ではITの領域は売り上げもみても非常に伸びている部分です。ITSの領域においても、サーバーシステムやクラウドのデータセンターなどに集まるビッグデータをうまく処理をし、今まで見えていなかったものを見えるようにして、問題を解決するような仕組みを提案していくことが、今後ますます重要になってくるかと思います」と話した。