【WEC 第6戦 富士】トヨタ陣営、“13年最終仕様TS030”で母国戦連覇&全敗回避を期す

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ルマン以来の2カー体制で富士戦に臨んでいるトヨタTS030 HYBRID。写真:TOYOTA
ルマン以来の2カー体制で富士戦に臨んでいるトヨタTS030 HYBRID。写真:TOYOTA 全 6 枚 拡大写真

19日、世界耐久選手権(WEC)第6戦開催中の富士スピードウェイで、予選後にTOYOTA RACING首脳が記者懇談会の席を設けた。ハイブリッド・プロジェクトリーダーの村田久武氏らによって、開発の成果と全敗回避への強い決意が語られている。

6月のルマン24時間レース(WEC第3戦)では、王者アウディ勢の1-3-5フィニッシュに対し、トヨタも2位&4位とリザルト上は拮抗した戦いにも思われたが、村田氏は「惨敗でした」と振り返る。「このままではシリーズ全敗してしまう。開発スタッフ全員に『ひとり1馬力ずつかき集めてこい』と号令をかけて、夏休み返上で頑張ってきました」。

その“成果”は第4~5戦にも逐次投入されてきたが、「今回ここで全部入れる(投入する)ことができました。その効果もあって、アウディと戦えていると思います」(村田氏)。直線スピードが特に重視されるルマンを終えて以降は、ハイダウンフォース仕様として進化させてきた“13年後半バージョン”のTS030 HYBRID。その熟成は、チーム代表の木下美明氏も「空力面ではこれが最終仕様です」と語るように、3戦ぶりの2カー参戦、勝負の日本ラウンドでまさに頂点に達したといえるだろう。

予選は2位&3位。「ポールポジションを獲るつもりでしたが、ドライバー2人でベスト2周ずつ、計4周のクリアラップを見つけることが難しかったですね。でもアウディのタイムも、出せるタイムです」(木下氏)。昨年は富士での勝利を含め、ルマン後はトヨタが3勝2敗とアウディに勝ち越したが、今年は5戦未勝利。トヨタ首脳陣からは「自分たちの存在がアウディをさらに速くさせたかもしれない」との旨も語られており、再び王者をキャッチアップしての母国レース連覇で全敗回避、という富士戦にかける熱い思いが伝わってきた。

迎えた決勝日の朝は雨となっているが、アウディ勢に挟まれた2&3番手から発進するトヨタ勢、その戦いぶりに注目したい。

《遠藤俊幸》

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