【ITS世界会議13】金沢大学、Autonomous Vehicleによる追い越しのデモを実施

自動車 テクノロジー ITS
ITS世界会議
ITS世界会議 全 9 枚 拡大写真

「ITS世界会議TOKYO2013」のショーケースにおいて、金沢大学は自律型自動運転自動車(以下、Autonomous Vehicle)の成果をデモで示した。これは、自動車技術会カーロボティクス調査研究委員会が企画した「自動運転システム」で実施されたもの。

金沢大学では、安全・安心なクルマ社会を目指し、公共交通機関の乏しい地方でも高齢者が運転できる体制を整えるために、Autonomous Vehicleの開発を2000年頃から進めてきた。今回デモに使われたAutonomous Vehicleは、量産型のスバル「レガシィ」をベースに2008年から改造を手がけてきたもの。昨年の東京モータショーで「Smart Mobility City」のテストライドでも出展された。この車両は全自動運転が行なえるように、ステアリング、スロットル、ブレーキ、シフト、パーキング、ウィンカー、ホーンなどに改造を施している。

周囲環境を認識するために、ルーフ上で360度回転する全方位レーザーと、フロント部に遠距離用のミリ波レーダーおよびレーザーレンジファインダーがそれぞれ搭載されており、障害物のマップを生成し、移動物体を検出することが可能だ。車両自体の自己位置は、GNSS/INS複合航法装置(GPSの一種)によって絶対位置姿勢を算出。一方、車両直下にある白線の相対位置は、車両サイドのレーザーレンジファインダーで計測する仕組みだ。

またデジタル地図を利用して、現在地から目的地までの最短経路や最適経路も選択できる。最適経路では、右折、左折、直進、交差点の通過コストなどを考慮した上で、最も良いと思われる経路をチョイスできるそうだ。

今回のデモでは、ビッグサイトの屋外展示場の特設コースで行なわれた。走行デモは2パターンあり、先行車両をAutonomous Vehicleが自律運転で追い越そうとするが、先行する相手車両が制限速度以上で再加速したため、途中で元のレーンに戻るパターンが1つ目。追い越しを諦めたときは、安全な車間距離を保ったままレーンに戻るようになっていた。2つ目は制限速度内で追い越しを掛けて、先行車のレーンに入っていくパターンだ。

運転手が自動運転ボタンを押すと、シフトレバーが動き出し、アクセルペダルが自動的に踏み込まれて、Autonomous Vehicleが動き出す。先行車を追い越す際にも、ステアリングがオートで回転し、うまくレーンチェンジして、安全な距離になってからレーンに入る。さらにゴール地点に到達すると自動停止するという流れだ。実際に試乗してみて、まさに人に代わって運転してくれる“Autonomous”を体感できた。


《井上猛雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  5. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る