フランスのキュビエ運輸相はこのほど、フランス国鉄(SNCF)の改革案を同国の閣僚評議会に提示した。鉄道業界誌インターナショナル・レールウェイ・ジャーナルなどが報じた。現在は別々となっている鉄道インフラ保有公社(RFF)と運行事業者のSNCFを同一の傘下に収める内容。
欧州連合(EU)諸国の鉄道はEUの政策に基づいて上下分離化されており、フランスの鉄道も1997年に線路・駅などのインフラ保有を別組織のRFFとして分離した。現在、SNCFは高速列車や都市近郊列車、貨物など輸送分野別に列車の運行を行う部門や、線路などインフラの保守を行う部門などを保有している。
改革案では、親会社となるSNCFの下にRFFとSNCFのインフラ保守部門を統合した「SNCF Reseau(Reseauはネットワークの意味)」と、旅客・貨物列車の運行を行う「SNCF Mobilites」を設置する。
現在、SNCFとRFFは約400億ユーロ(約5兆3000億円)の負債を抱えており、負債は年15~20億ユーロの割合で増加している。政府は改革を行うことで、年10億ユーロの節約になると予想している。
改革案は来年の議会で議論される予定で、採択されれば2015年に発効する見通し。