パナソニック カーバッテリー管理アプリにみる、アフター市場キラーアイテムの方向性

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パナソニック、LifeWINK&カーバッテリー先生
パナソニック、LifeWINK&カーバッテリー先生 全 12 枚 拡大写真

パナソニックは、カーバッテリーの寿命や使用状況をスマートフォンで確認できるアプリ「カーバッテリー先生」をリリースした。現在、パナソニックのホームページからアプリの入手が可能となっており、11月をめどにGoogle Playでのダウンロードも可能になる予定。

新アプリ、カーバッテリー先生はパナソニックが展開するカーバッテリー寿命診断システム「LifeWINK」製品群の一つとして開発されたスマートフォンアプリ。アプリは「LifeWINKベースユニット」装着車において使用可能で、使用方法はシガーソケットに装着した「LifeWINK車内モニター」とスマートフォンをUSB接続することで、バッテリーの詳細な状況を確認することができる。

今回は、「LifeWINK」装着バッテリーの使用状況を「カーバッテリー先生」で確認した。

LifeWINKの使用は新品のパナソニック製バッテリーと同時装着が必要。バッテリーを新品交換した場合、毎日使用される車であれば約2週間程度でLifeWINKベースユニットへデータが蓄積され、スマートフォンへのデータ転送が可能となる。なので、ベースユニットにデータが蓄積されるまでアプリへのデータ転送がおこなわれない。

アプリを起動してデータ転送が完了すると、バッテリーの寿命を判定する「診断結果報告」が表示され、「良好」、「注意」、「要交換」とバッテリーの状況を示すほか、充電することで回復可能な「充電不足」、車両点検が必要な「車両異常」までを判定してくれる。さらに、より詳細な「エンジン始動性能の推移」がグラフで示され、バッテリー性能の変化も確認できる。

また、バッテリーの寿命に影響する乗り方の状況も確認できる「お車乗り方診断」も用意され、ひと月あたりの平均運転時間やエンジン始動回数、一回あたりの運転時間までを表示。そのほかにも「バッテリー使用時の温度状況」や、セキュリティシステム搭載車やエンジン停止時に電気を使用する機会の多い人には「エンジン停止時の暗電流」でどれくらいバッテリーに負担がかかっているかなども確認できる。

今回、約1か月使用したバッテリーの表示を確認したところ、比較的使用頻度の高い車ではあるが、ひと月に150回もエンジンの始動をしていることが確認できた。充電状況が良くバッテリーに対して優しい運転をしていると、バッテリー先生から「よい乗り方をしておる」と“お褒めの言葉”がもらえる。

最近では、アイドリングストップ搭載車の増加や、ミニバンなどにおいてはスライドドアも電動が浸透、車内をみてもスマートフォンの充電など、車でバッテリーの電気を使う機会はますます増え、バッテリーに対する負荷も増えている。同アプリではバッテリーの寿命を判定してユーザーに教えてくれるだけではなく、ユーザーそれぞれに違う車の使用状況で、自分がバッテリーに対してどれくらい負荷をかけているかを知り、おおよそのバッテリーの交換時期を推察することもできる。

これまでバッテリーのトラブルを回避するには、バッテリーの定期的な点検と交換ぐらいしか方法がなかったが、将来的に、一連の「LifeWINK」システムが車両に標準搭載され、ユーザーに警告を示してくれるようになると、定期点検の間にやってくるバッテリーのトラブルを回避することも可能だろう。

さらには、LifeWINKシステムによって蓄積されたデータを自動車ディーラーなどでもモニターできるようすれば、バッテリー寿命の近いユーザーへ点検入庫を案内できるなど、ビジネス面でもサービス向上のアイテムとしても活用できそうだ。

バッテリートラブルがJAFのロードサービス出動理由で常に上位であるものの、LifeWINKがそのキラーアイテムになるかもしれない。

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