【アウディツインカップ13】日本一のアウディ整備士決定戦…歓喜と悔しさが交錯

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競技会場はこのようなホテルのバンケットルーム。このような場所での開催は初めての試みだそうだ。
競技会場はこのようなホテルのバンケットルーム。このような場所での開催は初めての試みだそうだ。 全 11 枚 拡大写真

アウディがアフターサービス向上を目指して世界規模で実施するサービス技能コンテスト「Audi Twin Cup(アウディツインカップ)」。

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そのジャパンファイルナルが大阪で開催された。実施される2つの競技のうち、ここでは「これぞサービスの本分」ともいうべきテクノロジー部門を紹介しよう。

◆日本一の整備士は誰だ?

テクノロジーというとピンと来ないが、この部門はツナギを着てサービス工場に勤務し、修理や整備を行っている整備士がその腕を競い合うもの。つまり、サービス技能コンテストと聞いて誰もが最初に連想する競技だ。意図的にトラブルを仕込まれた車両を時間内に完璧に修理するという、分かりやすいガチンコバトル的な競技となっている。

出場するのは日本全国のアウディディーラーの整備士で、1店舗につき3人のチームとなっている。オンラインの筆記テストによる予選ののち、東京、大阪、札幌でのセミファイナルを勝ち抜いてきた精鋭15チームだ。会場でその顔ぶれを見ると、意外にも若い人が多いのが印象的だった。人選は各店舗の裁量に任されている。工場長を始めとするベテランよりも、現場の最前線で活躍する若手を起用する事が多いようだ。

◆勝利の鐘はエンジン音 応援団のもとに奮闘するチーム戦

競技会場は驚くべきことにホテルのバンケットルームで、パーティションで仕切られたブースに同じトラブルを仕込まれた車両が用意されている。それを各チームがヨーイドンで一斉に修理に取り掛かるのだ。決して早い者勝ちではないが、スピードは重要な審査項目であることには間違いない。特に今年の場合、2つのトラブルのうちひとつがエンジン始動不能であったため、エンジンがかかれば修理完了という分かりやすさがある。そのため、競技中にエンジン音が鳴り響くと、同時に応援団から歓声が上がるという場面も見られた。

仕込まれたトラブルについてもう少し詳しく紹介すると、エンジン始動不能と、リモコンキーのアンロックボタンを長押ししてもリヤウインドウが開かないという2点。種明かしをしてしまうと、エンジンについては電装系のコネクターのピンが欠落、つまり配線が意図的に断線させられている状態。リヤウインドウについては、機能設定がそのようになっていたためであり、そもそも故障と考えたのがユーザーの勘違いだという想定。どちらも非常にいやらしい、いかにも迷路に迷い込みそうなトラブルだ。

ただし、修理の基本通りに手順を踏めば必ず解明できるトラブルでもある。そこがまさに試される競技であり、いろいろやってみたら直った、というのでは審査で高評価が得られない。また、それなりに作業量が多くなるトラブルであり、3人がチームワークを発揮しないと修理できないように配慮されている。トラブルを仕掛ける側も知恵を絞って考えているようだ。

実際の競技の様子だが、普通の人が考える自動車修理とは程遠いといっていいだろう。ボディの下に潜り込んで、「おーいスパナ取ってくれ」なんてシーンは全くない。車両に専用のテスターを接続し、あとはディスプレイとのにらめっこが続くことになる。オイルの匂いもカチャカチャという騒音もない、静かで清潔な修理作業だ。

競技は5チームずつが3回に分かれて実施されたが、早いチームでは15分程度でエンジン始動に成功したという。一方で、最後までエンジンを始動できなかったチームも多数あった。競技中は誰もがポーカーフェースだが、終了後に退場するときにはガッツポーズをする人、悔しさにうつむく人もいて、静かな中でも熱戦が繰り広げられていたのだと感じさせてくれた。

◆ワールドチャンピオンシップへの切符はアウディ松本チームの手に

トラブルを見事に修理し、優勝したのはアウディ松本の猿田 晃さん、松尾 寿英さん、郷津 雄太さんのチーム。同チームは来年開催される「第10回 Audi Twin Cup ワールドチャンピオンシップ」に出場することとなる。この競技では、日本は過去に優勝経験がある。ただし、日本はもう一つの競技であるサービス部門も含めた総合優勝をまだ果たしたことがなく、悲願となっている。それだけに同チームの活躍を期待したい。

《山田正昭》

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