【アウディツインカップ13】サービス部門日本一は豊富な知識量が決め手

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様々な部分をひたすらチェックしていく。
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すっかり秋本番となった10月29日、大阪で「Audi Twin Cup(アウディツインカップ) 2013 ジャパンファイナル」が開催された。

その名の通り2部門で競われるこの大会はアウディのアフターサービス工場を目指し、世界大会も開催されている。ジャパンファイナルは世界大会の予選でもあるわけだ。

◆いかにユーザー満足度を高めるか…競うのはアフターサービスクオリティ

その2つの競技のひとつであるサービス部門。これは、修理そのものではなくアフターサービス全体をマネジメントするテクニカルアドバイザーの技量を競うものだ。自動車を修理に出した際のトラブルを経験したことがある人は多いだろう。故障そのものは修理出来ていても、修理期間が事前の説明より長かったとか、正確な見積がないまま修理されてしまい、思ったよりも高額な修理費用に納得がいかなかった、といったことだ。

テクニカルアドバイザーはこうしたトラブルを未然に防ぎ、ユーザーの満足度を上げるために様々な業務を行う。また、その名の通りユーザーへのアドバイスを行うことも大きな特徴となっている。

こうした技量を競うために設定された実技テストは次のようなもの。「ユーザーが旅行に出かける前に12ヶ月点検で入庫。セールススタッフが販売店に回送した車両の入庫受付を行う」。そして5つの課題が設定されて降り、その内容は「車両のデータ確認」、「ユーザーの依頼事項の確認」、「不具合箇所チェック」、「アクセサリーの提案」、「車両引き渡しまでの業務プロセス」となっている。

◆深い知識と技量が問われる“静かなる熱い戦い”

競技は静寂に包まれた中で淡々と進められる。出場者は黙々と車両をチェックし、書類に記入をしているが、見ている分には特に難しいことをしているようには見えない。しかし、実は非常に難易度の高い課題に多くの出場者が悪戦苦闘していたのだ。

例えば、車両データの確認は車体のナンバーと走行距離だけでも最低限のデータは得られるが、アウディ車はキー内にさまざまな車両データをメモリーしたインテリジェントキーを採用している。そこにはエンジンオイル量まで記録されているのだ。会場に用意されたキーリーダーでこうした情報をしっかりと読み取ることが重要となる。

また、用意された車両にはユーザーの依頼事項とは別に、5箇所の不具合が隠されている。これも全てを見つけるのに苦労した出場者が多かった、実はトランクランプが不灯になっておりその警告灯も点灯するのだが、警告灯確認にちょっとしたコツがある。そうした細かい知識まで知っている人はこの不具合を見つけられたが、知らない人は苦戦、ということになったようだ。

何をすればいいのかよくわからない「アクセサリーの提案」については、ユーザーのバックグラウンドとして、スキー旅行に家族で出かけることが出場者に伝えられている。そこに気がつけば雪道走行向けのアクセサリーを提案できるわけだが、最適内アイテムをセレクトするために、アルミホイールと車両のマッチングなどの知識も必要となる。

◆アウディ三重津に期待の星 日本人初世界大会優勝なるか

このように、Audi Twin Cup 2013 ジャパンファイナルのサービス部門は日頃の勉強で蓄積された豊富な知識が問われる競技だった。

もちろん、注意深さや車両を見る目、基本を疎かにせずに業務を行う誠実さも必要。今回優勝したアウディ三重津の山田 千晶さんは来年スペインで行われる世界大会に出場し、さらに難易度の高い課題にチャレンジすることになる。日本はこの競技で過去に優勝したことがないだけに、山田さんには期待がかかるところだ。

《山田正昭》

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