【新聞ウォッチ】ホンダ元社長 河島喜好さん死去、本田宗一郎にスパナで殴られたことも

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年11月7日付

●トヨタ営業益2.2兆円、14年3月期、最高08年に迫る(読売・2面)

●三菱自、経営再建にメド、中期計画日産・ルノーと提携強化 (読売・10面)

●自動車6社大幅増益、日産、ダイハツは営業減益 (読売・11面)

●想定レートも円安に、平均1ドル95円、トヨタ、パナ97円 (産経・13面)

●ベア慎重姿勢崩さず (東京・7面)

●JVケンウッド、早期退職、数百人規模で(日経・11面)

●ホンダ元社長、初の米生産、河島喜好氏死去85歳 (日経・48面)

ひとくちコメント

ホンダの元社長の河島喜好さんが10月31日、肺炎のため死去した。85歳だった。葬儀は、故人の遺志により、すでに近親者で執り行われており、ホンダでは後日「お別れの会」を行う予定という。

河島さんがホンダの創業者・本田宗一郎氏の後を継いで2代目の社長に就任したのは今から40年前の1973年のこと。45歳の若さだったが、83年には、55歳で社長の座を久米是志氏に譲り、その後はしばらく取締役最高顧問の肩書は残したものの、社業には余り口を出さず、鮮やかな引き際だった。

河島さんの人間性について、生前、本田宗一郎氏は「スタンドプレーも、鼻につくようなことをやらない」と語っていた。また、女房役の藤沢武夫氏も「主張すべきはきちんと主張し、譲るところは譲る。非常にバランスのとれた人物」と評していた。

浜松高等工業(現:静岡大学工学部)を卒業後、1947年にホンダの前身である本田技術研究所に入社。草創期には、『ドリームE』型に搭載された4ストロークエンジンの設計に携わるなど、根っからの技術屋。研究所時代には、愛弟子の河島さんが引いた図面が気に入らなければ、本田宗一郎氏は怒鳴り散らして、破り捨てたり、スパナで殴ったこともあったというエピソードも。

昨日は、三菱自動車が再建にめどをつけて新中期経営計画を発表。トヨタ自動車も営業利益2兆2000億円に上方修正するなど、6年ぶりの高水準の中間決算を公表した。そのために自動車担当記者は大忙しだったようだが、各紙は河島さんの訃報記事を社会面の片隅に取り上げているほかは、読売が経済面で「日本車世界躍進の基盤、決断の速さが持ち味」という「評伝」を掲載しているだけである。

日本の自動車メーカーとして初めて米国オハイオ州で現地生産に踏み切ったのも河島さんの社長時代。「不得手なことはやらず、得意な者に任せる」という、本田イズムを継承し、まさに「世界のホンダ」の基盤を築いた2代目社長としては扱いが小さいようにも思える。

きょうは、埼玉県の寄居新工場の本格稼動を記念するイベントが行なわれ、伊東孝紳社長が会見する予定だが、大先輩との思い出をどう語るのかも興味深い。合掌。

《福田俊之》

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