【第3回鉄道技術展】日本車輌は「鉄道の価値を“高める”技術」がテーマ

鉄道 テクノロジー
「鉄道技術展」の日本車輌ブース
「鉄道技術展」の日本車輌ブース 全 2 枚 拡大写真

幕張メッセ(千葉市美浜区)で6日開幕した「第3回鉄道技術展」で、日本車輌製造は「鉄道の価値を“高める”技術」をテーマに「運行の安定性を高める技術」「速達性と快適性を高める技術」など4つの技術を模型や実物を使って紹介していた。

ブース内に実物を展示しているのは、列車とシカの接触対策としてJR東海と共同開発した「衝撃緩和装置」。シカへのダメージを軽減して線路外に押し出し、衝突時に車両への巻き込みを防止することを目的とした技術で、車両破損や点検による列車の遅れを減らす「運行の安定性を高める技術」として紹介されていた。

JR東海の特急『南紀』で運用されているキハ85系特急形気動車で既に使用されており、材質は中が樹脂製、外側は車両連結部のホロに使われる素材で覆われ、部位によって柔らかさを変えるなどの工夫がされている。実際に触ってみることも可能だ。

「速達性と快適性を高める技術」としては、同社が開発した「車体傾斜システム」を紹介。カーブ通過時に空気バネの高さを制御することで車体のカーブ外側を高く、内側を低くなるよう傾斜させる技術で、上昇させる側だけを持ち上げるのではなく、左右両側のバランスを取ってコントロールするため、快適な乗り心地を提供できるという。同社が台湾鉄路管理局に納入したTEMU2000形電車「普悠瑪號(プユマ号)」に採用されている。

そのほか「安全性を高める技術」として台車周辺の振動を監視し、異常の予兆を知らせる「台車振動検知装置」、「安定性と信頼性を高める技術」としては次世代の標準となる新型台車「NSシリーズ台車」を紹介。NSにはNippon Sharyo(日本車輌)の頭文字のほか、「New Simple」や「New Standard」の意味を込めているという。台車枠を一体でプレス加工し、溶接箇所を減らして軽量化と信頼性向上を図ったという台車で、パネルのほか模型による展示も行われている。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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