【先端材料技術展13】カーボンブレーキブースターの意外な製造方法

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タジマ工業のTCWNマシン
タジマ工業のTCWNマシン 全 4 枚 拡大写真

カーボンファイバーを使って製品を作る成形方法にも、目的や形状、コストによって色々なものが採用されている。

ロードバイクのカーボンフレームだけでも雌型にプリプレグを貼り付け、中子にエアバッグを使う内圧成型法、中子にも金型を使いパーツごとに焼き上げてから接着するマッチングダイ、チューブ自体を編み上げて形状と特性のさらなる最適化を図る方法など、様々だ。

それに加えて、今回の先端材料技術展では「こんな方法があったのか!」と思わされた。それは刺繍。何とカーボンファイバーを刺繍として縫い付けるようにして形を作り、成形する方法なのである。

そんなテキスタイル製法とでも呼ぶべき成形を披露してくれたのは、タジマ工業。同社は70年に及ぶ歴史を誇る刺繍機メーカー。そのノウハウを活かしてコンポジットファイバー縫い付けマシンTCWMシリーズを開発し、欧州ですでにこのマシンを使った製品が実用化されている。

リボン状のカーボンファイバーをカーボンクロスやグラスファイバークロスにポリエステルの糸で縫い付けて固定していくのだが、その動きも何ともユニーク。ヘッドが360度回転して形を作り上げていく。この製法によるメリットは、長繊維を目的とする形状にしやすいこと。カーボンクロスやマットを使うのと比べ、強度を高めることができるのだ。

MTBやクロスバイクのVブレーキ台座に装着するブレーキブースターも、この方法で軽量高剛性なカーボン製を製作しているメーカーもあるそうだ。自転車以外では、スノーボードのビンディングも製品化されているとか。またドイツのドレスデン応用科学大学がデザインしたカーボン製のスツールも展示されており、その軽さ(650g!)と幾何学的なデザインの美しさに感心。これもタジマ工業のTCWNならではの造形美と言えるものだ。

《高根英幸》

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