安全装置が作動せず、試乗車がフェンスに突っ込む

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11月10日午後0時40分ごろ、埼玉県深谷市内にある自動車販売店敷地内で、試乗会に使われていた乗用車が暴走。金属製のフェンスに突っ込む事故が起きた。クルマは中破。乗っていた2人が重軽傷を負っている。

埼玉県警・深谷署によると、現場は深谷市山河付近にある自動車販売会社の敷地内。事故当時は安全装置(自動ブレーキ装置)のデモンストレーションを実施。客の39歳男性が運転していたが、クルマが暴走。ブレーキが掛からないまま、販売店の敷地とJR東日本の用地を隔てる金属製のフェンスに突っ込んだとみられる。

クルマは衝突によって中破。運転していた男性が頚部打撲の軽傷。助手席に同乗していた自動車販売店の社員で、22歳の男性が腕を骨折するなどの重傷を負った。

事故起こしたクルマにはレーザーレーダーで前方の障害物を検知し、自動でブレーキを掛ける安全装置が装着されていた。事故当時はウレタンマットを置き、これを前走車に見立てて約7m先から発進。10km/h以下の低速走行時における追突防止のデモンストレーションを実施していた。午前中に数人がデモンストレーションに参加していたが、装置は作動していたという。走路は約15m。発進地点からウレタンマットまでが約7m、マットからフェンスまでは約7mの距離が確保されていた。

この安全装置は速度が30km/h以上になるとキャンセルされるが、事故を起こしたクルマの破損状況からはそれを超える速度で突っ込んだ可能性が高いとみられる。警察ではペダル踏み間違えなど、運転操作を誤った可能性が高いとみて、運転者からも事情を聞くとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

《石田真一》

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