東京モータショー13では、新型車、コンセプトカーが目白押し状態だが、そんな近未来の車たちに負けずに、懐かしい車たちも誇らしく展示された。
まず日産ブースでは、旧プリンス自動車が日産と合併する際に作った最後のレースカー『R380』が展示された。R380は富士スピードウェイが出来たての頃に日本GPで式場選手や生沢徹選手のポルシェ『904』『906』と激戦を戦ったのが思い出される。
次にホンダブースでは、『S360』と『RA271』が勇姿を見せてくれた。このS360は試作車だったが後に『S500』として市販の日の目を見、その後『S600』、『S800』へと進化し、鈴鹿8耐(昔はバイクではなく、四輪で真夏の8耐があった)の常連となった。ホンダの歴史では忘れられない名車だ。
そして、RA271はロニー・バックナム選手乗車の20番車が展示された。まだトレッドのあるレースタイヤや、リベットが浮き出たボディが歴史を物語る。スミス製タコメータは機械式だ。RA271の19番車なら、リッチー・ギンザー乗車で、その年のF1最終戦のメキシコでホンダ初めてのF1優勝を果たした車ということになる。
どんなコンセプトカーや新型車も、これまでの歴史を作ってきた旧車・名車なしには出現し得ない。メーカーにとっても、ファンにとっても東京モーターショー13で懐かしい名車に会えるのは嬉しい限りだ。