【トヨタ SAI 試乗】プリウスに物足りなさを感じる上級指向ユーザーへ…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ SAI S “Cパッケージ”
トヨタ SAI S “Cパッケージ” 全 12 枚 拡大写真

『SAI』のマイナーチェンジは、ほとんどフルモデルチェンジに近い。

スタイリングでは前後ボディーパネル&デザイン、インテリアではセンター クラスター&フロントコンソールの形状を一新。以前の地味な高級HVセダン…というイメージを覆す仕上がりだ。

SAIは2.4リットルエンジン+2モーターを搭載する、『プリウス』の上級車種、またレクサス『HS』の兄弟車という位置づけ。しかしこれまで販売台数ではプリウス、『アクア』に遠く及ばなかった。

が、今ではどうだ。内外装ともにデザインで選びたくなるほどの華やかさ、レクサスに迫る存在感を手に入れてしまった。いや、ボクシーなレクサスHSより圧倒的にスタイリッシュだと思える。

つややかでセクシーなTVCFの「朝日の当たる家」(楽曲)は50代以上の人の心に刺さるのではないか。

そんな新型SAI、実はボディー剛性の強化、空力の改善、サスペンションの設定変更などによってさらにしなやかで軽快な操縦性、快適な乗り心地を実現。燃費も21.0km/リットルから22.4km/リットルへと向上。もはやクラス最上の燃費性能を誇る。

試乗すれば出足からの豊潤なモータートルクによるプリウスを圧倒する加速の軽やかなスムーズさ、高速80km/h走行で聞こえてくるのはわずかなロードノイズのみという静かさ、段差越えでも軽やかにいなすしっとりとした乗り心地の良さ(プリウスともっとも違う点)に感動できるはずだ。高速走行ではマイナーチェンジ前よりもさらに安定感を増したロール最小限のフットワークを味わうことができる。レクサスHSはさすがにダンパーのスムーズさ、走りの質感などで上回るものの、価格差を考えればどうということはない。

さらにうれしいのは100V/1500WコンセントをOP(6万3000円)で用意したこと。ドライブ先で家電製品を使うことができるだけでなく、災害時などの給電にも威力を発揮。地震大国日本ではまさしく保険的安心装備である。

プリウスだと加速が物足りず、操縦性が重々しいのが気になる。そしてあまりにも数が多い…そう思っているユーザーに自信を持って薦められる、色気あるプレミアムなスタイリッシュセダンである。ボディカラーはイメージカラーのレッドマイカメタリックなど、濃いめの色が華やかさの点でお薦めである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  3. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る