【モアスペース軽、人気の理由】進化したミラクルオープンドア、お年寄りにも優しい細やか設計

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新型タントは両側スライドドアに
新型タントは両側スライドドアに 全 17 枚 拡大写真
「スーパーハイト」「モアスペース」と呼ばれる軽自動車ジャンルにスポットを当てるこの特集、前回は幼い子どもを持つファミリー視点での使い勝手を検証したが、このジャンルの車種は介助が必要なお年寄りを持つミドルエイジもターゲットユーザーとなりそうだ。

前回に引き続いて取り上げたのは10月に3度目のフルモデルチェンジを実施したダイハツ『タント』だ。


◆楽な姿勢で乗り込めるミラクルオープンドア

ミラクルオープンドアと呼ばれるスライドドアは今回も継承。しかもカードキーや運転席スイッチなどで開閉できるパワースライド方式となったため、乗り降りはより楽になっている。開口部が低く特にお年寄りにとっては変にかがむことなく楽な姿勢で出入りできるのがいい。

男性モデルさんの身長は164cm。助手席側のスライドドアから後席へ乗り降りしてもらう。「手で少し押すと電動でドアが開いてびっくり。間口もとても広い。乗るときは手すりがあるのでふらつかないし、身体を曲げなくてもすーっと入っていける。これは楽ちんだ」。

パワーアシスト付きのスライドドアは、お年寄りのみならず介助者にとっても楽な機構だ。お年寄りをエスコートしながら片手でスムースに開け閉めできる。また、イージークローザー付きなので半ドアの心配もない。これは、開閉時に一定の力が加わるとドアが反転する挟み込み防止機構。ゆっくりと車内に入っていって途中でドアが閉まりかけても安心なのである。


◆乗り降りをサポートするアシストグリップ

乗るときの手すりとは、助手席の肩の部分に取り付けられたグリップのこと。外から立った状態で、スッとつかみやすい位置にあり、乗り降りの際のふらつきを押さえてくれるので、モデルさんもしっかりと乗り降りができた。足腰に不安を持つ人にとってはかなり便利な機構だ。また、低床設計なのも乗り降りは随分楽になる。これなら和服を着ていても「よっこいしょ」とはならないだろう。

間口が広いのは、もはやタントの独壇場だ。今回は助手席が380mmもロングスライドするようになった。前にグンとスライドさせると、これまでも広かったフラットな後席フロアがますます広がった。さらにはリアシートは左右独立式のスライド機能が付いたので、足元は『センチュリー』をも凌ぐ。お年寄りが「楽ちん」を連発するのもうなずける。

この助手席シートは、車外からも運転席からもリクライニングとスライド操作ができるようになっていて便利。しかし運転席に座ったまま上半身身をよじり、重量のある助手席をスライドさせるのは、結構な力が必要だったことも付け加えておこう。


◆静粛性の向上で家族のコミュニケーションも豊かに

今回の新型は、静粛性が向上し前後席の会話も聞き取りやすくなった。衝突回避支援システム”スマートアシスト”の採用、さらにはVSC(横滑り防止装置)とTRC(ラクション・コントロール)の採用で安全性も向上している。使い勝手の良さとともに、お年寄りにも優しい機構が満載されたといえるだろう。

尚、ダイハツではスローバー(車いす移動車)とウェルカムシート(昇降シート車)の2機種を12月に発売予定。足腰に不安を持つお年寄りの移動もサポートという側面でレポートしたが、多彩な用途に対応するモアスペース軽自動車の柔軟性が、ヒットの理由になっているのは自明だろう。モアペースの市場拡大はまだまだ続くことになりそうだ。

《嶽宮 三郎》

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