交通政策に関する基本理念などをまとめた交通政策基本法が11月27日、参議院本会議で可決・成立した。
交通政策基本法は、交通に関する施策は少子高齢化への対応や環境負荷の低減などを考慮して行わなければならないとし、これを交通政策の「基本理念」としている。国や自治体、国民、交通関係事業者などに対しては、基本理念に沿った施策を策定し、実施しなければならないとした。
具体的には、交通事業の経営環境が厳しい離島などでも日常生活に必要な交通手段を確保すること、高齢者や障害者、妊産婦などが各種交通機関を利用しやすいよう設備の改善を行うこと、定時性や速達性の向上、各種公共交通機関の連携強化など利便性の向上を図ることなどを求めている。
このほか、空港や港湾の整備によって国際競争力の強化を図ることや、大規模災害発生時の交通機能の低下を抑制するため、代替性のある交通機関の確保などを求めた。環境負荷の低減については、貨物輸送を鉄道や船舶に転換する「モーダルシフト」の推進などを盛り込んだ。
同法は基本理念に沿った施策を総合的・計画的に推進するため、政府に対し交通に関する施策の基本計画(交通政策基本計画)を策定することも求めている。国は同法の成立を受け、交通政策基本計画をまとめる方針だ。