ISS「きぼう」日本実験棟で、「アニソチューブル実験」を開始

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「きぼう」の中に設置された蛍光顕微鏡(左上)と植物の培養と観察に用いる容器(中央)と若田飛行士(観察開始直前)(出典:JAXA/NASA)
「きぼう」の中に設置された蛍光顕微鏡(左上)と植物の培養と観察に用いる容器(中央)と若田飛行士(観察開始直前)(出典:JAXA/NASA) 全 3 枚 拡大写真
国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で、重力による茎の形態変化における、表層微小管と微小管結合タンパク質の役割を調べる「アニソチューブル実験」が開始された。

アニソチューブル実験では、植物細胞の伸びる方向を決める「表層微小管」という細胞内の構造物に注目し、植物が重力に耐える「カタチ」を作るしくみを探る。

シロイヌナズナの種子を内部に収納した容器を搭載した日本のISS補給機「こうのとり」4号機(HTV4)は、8月4日に種子島宇宙センターから打ち上げられ「きぼう」に届けられた。

11月18日に「きぼう」内で、若田光一飛行士がシロイヌナズナの種子が入った容器に給水し、冷蔵庫で保管を開始した日本時間17時19分から最初の実験が始まった。

表層微小管にノーベル賞受賞で注目された緑色蛍光タンパク質(GFP)の目印をつけたシロイヌナズナの種子を宇宙で発芽させ、3日間栽培した。宇宙で育てたシロイヌナズナの茎部分の細胞や表層微小管の様子を、「きぼう」船内にある蛍光顕微鏡を使って地上から観察した。

今後、同じような条件で、発芽、栽培、観察を、合計10回行い、表層微小管と植物の「カタチ」に関するデータを取得する。

実験の結果、地球上の植物が重力に打ち勝って(抗重力)、上へ上へと伸びていける強い「カタチ」を作るしくみがわかれば、そのしくみを利用して植物のカタチや延びる方向などをコントロールすることができ、狭い場所や特殊な場所などで植物の効率的な生産技術への活用や、将来の宇宙での作物栽培に役立てる可能性がある。

《レスポンス編集部》

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