2013年12月9日、INPE ブラジル国立宇宙研究所は、同日世界標準時午前1時26分に打ち上げられた中国・ブラジル共同地球観測衛星『CBERS-3』が軌道に到達せず、地球に落下したとみられる、と公表した。
INPE発表によれば、CBERS-3(China-Brazil Earth Resources Satellite 中国・ブラジル地球資源衛星)は、山西省の太原宇宙センターから中国標準時9日午前11時26分に長征4Bロケットで打ち上げられた。その後、打ち上げロケットの何らかの不具合により衛星は軌道に到達せず、地球に落下したと考えられるという。CBERS-3衛星の搭載機器は正常に動作していたデータが得られているとのことで、原因はロケット側と見られる。
中国、ブラジルは直ちに協議し、後継機『CBERS-4』の製造と打ち上げに向けた準備に入るとしている。10日火曜日には中国でブラジル宇宙機関(AEB)、INPE関係者も参加して会合が行われる予定だ。
CBERS-3は、中国・ブラジル共同の地球観測衛星の4機目となる衛星で農業、災害対策、植生の変化などを観測する目的だった。CBERSプロジェクトでは2004年から観測画像を無償で提供しており、米USGSが配布する地球観測衛星ランドサットの画像の代替としても期待されていた。CBERSシリーズの前3機はすでに運用が終了しており、5号機が打ち上げられるまで同プログラムには運用の空白が続くことになる。