米航空宇宙局(NASA)は、12月11日に発生した国際宇宙ステーション(ISS)の外部排熱システムの異常への対応として、3回の船外活動(EVA)でポンプモジュールの交換を行う方向で調整に入ったと発表した。
ISSの熱制御システムは、外部熱制御システム(ETCS)と内部熱制御システム(ITCS)に分かれており、船内で発生した熱はITCSで集め、船外の熱交換機を通してETCSに送られ、ラジエータから宇宙空間に放熱する。
ETCSは2系統あり、A系のポンプモジュール内の冷媒のアンモニアを、冷却用ラジエータへ流す量を調整する流量調整弁が故障したため、A系の排熱機能が停止した。これに伴って、異常が発生した系統に接続されている、各モジュールへの給電用電源変換装置の排熱ができなくなった。この給電用電源変換装置から給電を受ける日本実験棟「きぼう」の電源系統2系統のうち、1系統の電力供給が停止された。
このポンプモジュールの交換のため、リチャード・マストラキオ宇宙飛行士、マイケル・ホプキンス宇宙飛行士が12月21日、23日、25日の3回に分けてEVAを実施する見込みだが、EVAの実施については、12月20日に最終決定する。
一方、12月20日に予定していたシグナス補給船運用1号機(Orb-1)の打ち上げは2014年1月以降に延期となった。