【ホンダ フィット 試乗】ガソリン車もあなどれない実力の持ち主…松下宏

試乗記 国産車
ホンダ フィット
ホンダ フィット 全 26 枚 拡大写真

ホンダ『フィット』はコンパクトなボディの中に圧倒的な室内空間が魅力で、軽快なフットワークで良く走り、燃費性能にも優れるなど様々な魅力を兼ね備えている。3代目モデルもそうした魅力を着実に進化させている。

今回のフィットはモデルチェンジによってボディがやや大きくなり、既に十分に広かった室内空間が更に広がり、ほかのコンパクトカーの追従を許さない広さになった。自在なアレンジを実現するシートと合わせて、一段と使い勝手に優れたクルマになった。

ガソリン車の「13G」に搭載される1.3リットルエンジンは73kW/119Nmのパワー&トルクを発生する新開発のi-VTEC仕様で、ワイドレシオを採用した新開発のCVTと組み合わされている。

このパワートレーンは、燃費を重視したものでありながら、アクセルワークに対する反応など、走りのフィールが相当に良くなった印象がある。というか、市街地から都市高速まで、いろいろなシーンで良く走るクルマという印象を受けた。

もちろん燃費もけっこう良い。試乗中に瞬間燃費を見ていると、ガソリン車でもハイブリッド車と変わらないような数字を示していたから、13Gの実力はハイブリッドに近いものがあるようだ。なので車両価格も含めた経済性を考えると、むしろ13Gの方が有利になるように思う。それくらいに高い実力を持つ。

1.5リッリットルエンジンを搭載した「15X」や「RS」は格段にスポーティな走りを示す。動力性能は97kW/155Nmで、1.3リットルに比べて明確な違いがあるだけでなく、吹き上がりの良さなども含めてとても魅力的なエンジンである。走りの良さという点では断然1.5リッターエンジンの搭載車がお勧めだ。

中でもRSには6速MT車が設定されるほか、タイヤも15Xが15インチの60であるのに対し、16インチの55になるなどで、全体に走り志向の仕様が用意されている。

乗り心地がかなり硬めな印象であるなど、やや古典的なスポーツモデルといった印象がぬぐえない部分があるものの、RSは走り志向のユーザーには絶好のクルマだと思う。

新型フィットではハイブリッド車に注目が集まるが、ガソリン車も経済性を考えると13G、スポーティさを追求するならRSという具合に、なかなかあなどれない性能を持つ。

なお、簡易型ながら追突軽減ブレーキとサイドエアバッグをセットにした「あんしんパッケージ」がオプション設定されている。必ず装着しておきたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 路面に「矢印」照らすウインカー国内初搭載、トヨタ『カローラクロス』が改良
  2. 「このサイズ感は良い」上陸間近のアルファロメオ『ジュニア』、日本に最適とSNS注目
  3. 「一目惚れしたかも」ジープ『コンパス』新型にSNS興奮、初のEVに「航続650kmって優秀では」
  4. オートサロンで注目の1台、スバル『S210』ついに抽選申込を開始 限定500台のみ
  5. 昔ほど“馬力アップ”しない? それでも交換する価値がある理由~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
  2. BYDが「軽EV」の日本導入を正式発表、2026年後半に
  3. VWと米ウーバーが提携、『ID. Buzz』の自動運転車を運行へ
  4. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  5. 地域再エネ活用の収益を還元、ホンダ N-VAN e:を茨城県神栖市へ無償提供
ランキングをもっと見る