JAXA 準天頂衛星システム初号機「みちびき」の成果をエクストラサクセスまで達成と評価

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JAXA 準天頂衛星システム初号機「みちびき」の成果をエクストラサクセスまで達成と評価
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2013年12月24日、文部科学省第13回宇宙開発利用部会が開催され、JAXAは準天頂衛星システムプロジェクトの目標達成状況を報告した。準天頂衛星初号機「みちびき」のプロジェクトは目標を達成し、プロジェクト終了審査を妥当と判断した。

平成22年度(2010年9月)にH-IIAロケットで打ち上げられた準天頂衛星初号機「みちびき」は、平成24年まで定常運用を行った。JAXAでは、平成18年度の開発開始から24年度までを対象にプロジェクトの終了審査を実施。GPS補完技術では、「日本国内で仰角60度以上で1日8時間以上衛星が見える」の目標をもっとも条件の厳しいサロベツ局でも達成。衛星測位精度の指標である軌道・時刻誤差も目標値プラスマイナス2.6メートル以内のところをプラスマイナス0.8メートルと目標を上回る実績を上げたと報告した。また、LEX信号や疑似時計技術など日本独自の次世代衛星測位システム基板技術を開発、実証した。

開発スケジュールや人材育成の妥当性なども審査され、JAXA内および外部委員によるプロジェクト終了審査は目標を達成したと判断された。現在、初号機「みちびき」は維持運用の段階で、内閣府に運用を移管する予定だ。移管時期は未定のため、引き続きJAXAが維持運用を担っている。

宇宙開発利用部会では、JAXAの山本静夫理事が準天頂衛星システムプロジェクト中に得られた課題として、地上局の整備をあげた。衛星にコマンドを送信できる地上局が沖縄のみのため、台風接近時に筑波と沖縄での通信ができなくなり、運用の空白期間が生じたことがあったという。実運用の段階では、地上局設備にも予備を用意して運用を継続する体制が必要だとした。米GPSに加え、欧州ガリレオ、ロシアのグロナス、中国のベイドゥなど各国が衛星測位の整備を進める中で、日本独自の測衛星サービスの利用を広げるにあたっては、「キラーアプリ」となるサービスがまだ見えていないという。日本の衛星測位の分野は、「みちびき」の基礎となった技術試験衛星「ETS-VIII」を入れても始めたばかり。準天頂軌道という特殊な軌道を活用する意味でも、今後予定されている2機目以降の衛星で高い精度を出すなどの目標を達成したいとした。

《秋山 文野》

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