【新聞ウォッチ】マイカー族に重くのしかかる 高速道「無料化」事実上の“撤回”

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年12月26日付

●トヨタ 1000万台確実、年間生産数、世界初の大台(読売・2面)

●市場脱デフレ期待、株1万6000円台企業業績拡大、先行きに強気(読売・9面)

●首都高大規模改修計画発表(読売・9面)

●高速無料化2065年に延長へ、老朽化対策費を確保、首都高、6300億円必要(朝日・7面)

●増税前クルマ増産急ぐ、フィット製造拠点増、スズキ、期間工検討(朝日・8面)

●辺野古埋め立て承認へ、沖縄知事、負担軽減策を評価(日経・1面)

●マツダに「軽」SUV、新型「ハスラー」スズキがOEM(日経・9面)

●レガシィ「ワゴン」後継、4月以降に、増税後販売、テコ入れ、富士重(日経・11面)

●車生産3か月連続増、8社の国内、北米など輸出好調 11月(日経・11面)

●安全性高めた小型ワゴン発売VW「ゴルフ」(日経・11面)

●新製品バトル高級志向の軽自動車(日経・31面)

ひとくちコメント

正月が近づいたからというわけでもないが、改めて「絵に描いた餅」という言葉の意味を調べてみた。すると「実際には何の役にも立たないことのたとえ」のほかに「実現する見込みがないことのたとえ」とある。

国土交通省が、高速道路料金を無料にする時期を2050年の予定から15年間延長し、65年とする方針を固めたという。きょうの朝日と日経が大きく報じているが、老朽化が進む首都高が大規模な改修に乗り出すほか、全国の高速道路も老朽化対策を推し進めると「各高速道路会社が予定する道路建設時の債務(借金)返済に時間がかかるためだ」(朝日)そうだ。

12月25日の読売朝刊でも報じたが、首都高速道路会社は老朽化のため5区間を建て替えるなど、総額6300億円を必要とする来年度からの改修計画を発表した。首都高など高速6社は、旧道路公団がつくった約40兆円の借金を料金収入で返済することになっている。しかし、2050年までに返済を終える計画だったが、老朽化対策の費用を想定していなかったため、期限を延ばして1年あたりの返済額を減らすという。

当初の2050年という計画もあまりにも長すぎると思ったが、それをさらに15年も延長する。民営化時の公約では「高速道路無料化」を掲げていたが「事実上の撤回」(日経)だろう。これこそ、「絵に描いた餅」である。

それで、高速道路料金を議論するときに必ず使われるのが「受益者負担」。車を持たない人まで税金で負担するのは不公平という理屈である。しかし、一般道が走りにくい現状では高速道を走らざるを得ないという日本の道路事情があることも事実。

来年度以降は消費増税に加えてオートバイや軽自動車までも「増税」になる。これでは、スズキの鈴木修会長が「庶民の軽に遊び心が欠けていた」として「軽」の新型SUVを発売しても、国際水準よりも高い料金の高速道を走って遠出のドライブを楽しむことだってなかなか難しいだろう。

《福田俊之》

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