【アバルト プント 試乗】「やみつきになる」のもうなづける…松下宏

試乗記 輸入車
【アバルト プント 試乗】「やみつきになる」のもうなづける…松下宏
【アバルト プント 試乗】「やみつきになる」のもうなづける…松下宏 全 11 枚 拡大写真

アバルトはフィアット車をベースにスポーティな仕様のモデルを作ることで定評を得ているブランドだ。最近では『500』系のモデルが注目されているが、アバルトプントも見逃せない存在である。

アバルトプントに乗って走り出すと、その瞬間から並のクルマではないことが分かる。少しばかりせかされるような交通状況の中で発進させたら、想定以上の加速に驚かされるような感じになった。

搭載エンジンは1.4リットルのマルチエア16バルブDOHC+インタークーラー付きターボで、132kW/270Nmのパワー&トルクを発生する。自然吸気エンジンだったら3.0リッター級に近い実力を持つだけに、コンパクトなボディに対して十分過ぎるほどの余裕があるのは言うまでもない。

もりもりという感じのトルクを発生するだけでなく、アクセルを踏み込めば気持ち良い吹き上がりを見せ、回転の上昇に伴ってパワーが盛り上がっていく。高回転域まで回したときのパワーフィールも上々だ。

アバルトモデルに乗るユーザーが「病みつきになる」と語るのもうなずける話である。

足回りは相当に硬い。このクラスとしては大きめな215/45ZR17サイズのタイヤが装着され、ガチガチに近い感じに固められている。デートカーとして使うには適さないような硬さだ。

外観はシルバーのボディに黒色の太いストライプが2本配されていた。色こそ地味ながら、迫力というか、凄味を感じさせるデザインだ。インテリア回りもバケットタイプのスポーツシートを始め、アルミペダルやレザーシフトノブなど、その気にさせる仕様が盛り込まれている。

残念なのは左ハンドルの6速MT車だけの設定であること。日本では左ハンドル車は駄目だし、6速MTだけの設定だと広がりが限定される。アバルトはニッチなブランドではあるが、もう少し多くの人が選べるクルマであったら良いと思う。

309万円の価格はかなり高めながら、アバルトであることを考えたら納得すべき水準と考えるべきなのだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  3. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
  4. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  5. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る