CES2014開催前日となる6日は、朝から夜遅くまでプレスカンファレンスが続いた。会場は昨年から利用されているマンダレイベイ・ホテル。ストリップ通りの最南端とも言える場所に、早朝より大勢のプレス関係者が集まった。
同じ時間帯に複数のカンファレンスが開かれるため、優先順位をつけての対応が必要。自動車関連では午前8時:ボッシュ、午前10時:パナソニック、午後1時:トヨタ、午後3時15分からクアルコム主催の『Formula E car』のデモ走行を行った。各社とも様々な分野での出展を行っているが、ここではクルマ関連に絞って概略をお伝えしていく。
まずボッシュ。同社は総売上の2/3を自動車関連で占め、将来的にはその他の分野でイーブンに持って行きたいとの希望はあるようだが、自動車関連がボッシュの屋台骨となっている現状に変わりはない。とくに無人運転に対しての積極投資は続けており、ドライバーアシスタンス機能(ADAS)を完全な自動運転へと発展できるよう着実な歩みを見せているところだ。
今回のカンファレンスで明らかになった技術はオートパーキングシステムで、ドライバーを含む同乗者がクルマを降りると、ドライバーはスマートフォン上からコントロールして指定位置へ移動させる技術。この技術は今回のCES2014でデモストレーションされるそうで、7日以降の開催日にその様子をお届けしたい。
車載事業に積極的に展開するパナソニックは、昨年の北米モーターショーで発表した「アビーロードスタジオ」と提携から生み出された『ミニクーパー クラブマンS』を初出展。全12スピーカーと独自のモーションコントロールを備えた580Wもの大パワーアンプを組み合わせる。イコライザーはクラブマンS用に専用設計され、インターネットラジオを通じてストリーミングも楽しめる。
また、パナソニックが昨年買収したメディアコンテンツ配信プラットフォーム「AUPEO」はdts社との提携を発表。ストリーミング音楽をマルチチャンネル・オーディオと視するサラウンドサウンドとして楽しむことが出来るようになった。
トヨタは東京モーターショーにも出展した「FCVコンセプト」を出展。基本仕様は東京モーターショー時と同じで水素を満タンにして4人乗車して310マイルの走行が可能だ。水素による燃料補給はちょうど3分間で、充電時間を待つようなことはない。しかも、最高速度は100mph、0→60mphまでおよそ10秒で走りきる実力も備えているという。
FCVは氷点下の環境に弱いとされてきたが、トヨタはすでに数千マイルにも及ぶ寒中スタートを北カナダで行い、その耐久性に対しても自信を持っているという。また、アメリカ国内での水素ステーションについてトヨタは、大半がカリフォルニア州であるが、20カ所が2015年前に整備され,2016年にはそれが40カ所へと倍増すると想定していることも発表した。
クアルコムは昨年カーレース『Formula E』とのパートナーシップを結んだが、今回はそのデモ走行を初めて公開した。クアルコムはこのレースに対してワイヤレス充電技術を提供することにしており、将来は走行中でもワイヤレス給電ができる“ダイナミック給電”も視野に入れているという。