スバル生産2000万台は通過点、今後の課題は「“変種変量”への柔軟性」

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富士重工業代表取締役吉永泰之氏
富士重工業代表取締役吉永泰之氏 全 24 枚 拡大写真

1月9日富士重工業群馬製作所矢島工場にて同社OBや関連企業者を招いた記念式典が開催された。同社が1958年の自動車生産開始から累計で2000万台を達成したことを祝すものだ。

祝典では富士重工業代表取締役社長の吉永泰之氏が挨拶。「スバル車をご愛顧いただくお客様をはじめ、諸先輩や従業員一人一人がコツコツ積み重ねてきた地道な努力の賜物として国内生産2000万台達成の実が結び、大きな成果を出すことができた。」と感謝の意を表した。一方「納期の遅れは一日でも早めたい」(同社群馬製作所長 笠井雅博氏)と増産への課題意識を強調した。安全と品質と両立しながらの納期短縮が課題のようだ。

◆目指すは“変種変量” 2000万台達成と同日に新技術発表会も

スバルの国内生産の原点は1958年伊勢崎製作所(当時)にて生産された『スバル360』。その後生産車種と生産台数の拡大と共に群馬県太田市を中心に群馬製作所本工場、矢島工場、そしてエンジン・トランスミッションや自動車部品等を生産する大泉工場を開設。 生産車種は軽自動車と『スバル1000』、『レオーネ』『ジャスティ』などから『レガシィ』『インプレッサ』『フォレスター』などへ変遷。56年で累計2000万台を達成した。

ただこの間時代の変遷により需要も多様化した。スバル矢島工場は変化する自動車需要にどう対応するのか。

吉永氏は「生産について直近の課題は“変種変量”への柔軟性」と表現している。ハイブリッド車(HV)生産などでは生産能力の最大台数近くまできているものの、生産能力向上の大規模な計画は発表されていないが、HV生産は12月だけで約2000台に上った。ハイブリッド需要に対する増産の必要性も現場ではあるという。

また吉永氏は、納期短縮に向け「社内で“ちょこっと能増”のフレーズを普及させるなどして様々な車種に柔軟に対応しかつ一台でも多く製造することを目指している」と説明。“ちょこっと能増(能力増強の略)”とは、基本的な工程は維持しながらも、例えば人材投入数を増やしたり、増産に寄与できるようなネックな部分を見つけて改善するなど、現場でのさまざまな工夫によって増産することを指すという。「次のマイルストーンである3000万台」(富士重工群馬製作所長 笠井雅博氏)にむけ改善に磨きがかかりそうだ。

この好調を支えているのは北米市場。アメリカでは「昨年比で26%という大きな伸びを記録している」と人気は衰え知らず。今後の展望としては「スバルのブランドステートメントである“Confidence in Motion”を通じて世界中のお客様のご期待に応えたい。安心と愉しさを確かなモノづくりで実現していきたい」と同社広報部はコメントする。

《北原 梨津子》

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