国土交通省、内航社船実習に参加した学生・乗組員にアンケート…前向きな意見が多数

船舶 行政

国土交通省は、昨年10月から実施した、初の内航社船実習が修了したのにあたって、学生や乗組員に対してアンケート調査を実施した。

内航社船実習は、海技教育機構が、昨年10~12月にかけて内航海運事業者である上野トランステック、太平洋沿海汽船、田渕海運、デュカム、三原汽船の5社に委託して実施した。

学生を受け入れたい船社と内航社船実習を希望する学生の意向を調整した結果、初年度である今年度は5社5隻6人が対象となった。航海訓練所の練習船で実施する四級海技士養成のための9カ月の乗船実習について、後期3カ月は、可能な範囲で内航貨物船、RORO船、油タンカー、ケミカルタンカーなどの社船にて行うことにより、内航若手船員の養成をより実践的にするのが目的。

アンケートの結果、学生(参加学生全6人)は、「航海訓練所の練習船と比較して、実際の現場作業を体験することができ良かった」や「少人数での実習であり、乗組員から丁寧な指導が受けられ良かった」、「実習内容及び乗組員の指導に大変満足している」と前向きな意見が多かった。

「同級生と離れ1人で乗船することによる孤独感があった」や「内航船の実態(忙しさや力不足など)から就職後に不安を感じ、さらに勉強が必要と思った」などの意見もあった。

乗組員からは(参加船社全5社11人)からは「学生は予想以上に一生懸命実習に取り組んでいたと感じた」や、「社船実習特有の事情(例えば、荷役予定が現場事情にて直前にキャンセル)により実習計画の作成が困難であったが、実習期間中に調整して無事に実習を終えることができた」、「学生に対する怪我・病気への配慮や指導方法などについて、事前に不安や戸惑いがあったが、問題なく修了できた」との意見があった。「実習は、乗組員との意思疎通や実践的な実習内容等から大変有意義であり、実社会へ出た時に役立つと思う」との回答も。

全ての乗組員を対象にした反省点では、「社船実習についての受入船社から実習をする学生への事前説明が不足していた」や「社船実習には基礎知識が不可欠であり、学生が習得しているか学校においてきちんと確認してから送り込んで欲しい」、「危険に対する基礎的注意が不十分であり、航海訓練所の練習船による実習の段階で徹底した上で学生を送り込んで欲しい」と、厳しい意見も。

乗船実習の今後については、今年7月から、旭タンカー、海輸社、第一中央内航、鶴見サンマリン、東幸海運の5社で、海上技術学校の学生8人に対して実施する予定。海上技術短期大学校の学生には10月に実施する予定。

《レスポンス編集部》

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