米2企業の超小型衛星軌道展開ビジネス 国際宇宙ステーションから1機1300万円ほど

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米2企業の超小型衛星軌道展開ビジネス 国際宇宙ステーションから1機1300万円ほど
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2014年1月12日、米スペースフライト(Spaceflight)社、ナノラックス(Nanoracks)社は、国際宇宙ステーション(ISS)へドッキングしたISS民間補給船、シグナス運用1号Orb-1に、超小型衛星放出サービスを利用する衛星が搭載されていると発表した。

スペースフライト社は、人工衛星の打ち上げ機会やISSからの衛星放出機会を提供する宇宙輸送サービス企業。キューブサット、ナノサット、マイクロサットと呼ばれる重量1~300キログラムの超小型衛星に特化している。ナノラックス社は、国際宇宙ステーションでの実験機器を開発する企業で、NASAとの合意の元、キューブサットを放出する「ナノラックス・キューブサット・デプロイヤー」を開発している。

スペースフライト社は、超小型衛星の打ち上げ料金を公開している。ISS補給船を利用して貨物として運ばれ、展開されるタイプのペイロードの場合、最小のキューブサット1U(10×10×10センチメートル、1キログラム)サイズでは、地球低軌道への輸送で12万5000米ドル(1290万円程度)となっている。

シグナスOrb-1は、日本時間1月12日にISSに到着、ロボットアームを使用して把持・結合された。貨物として搭載された33機のキューブサットは、シグナス開室後に積み下ろされ、今後6週間にわたってISS日本実験棟「きぼう」のエアロックから軌道上に順次放出される予定だ。昨年11月、ISCコスモトラス社のドニエプルロケットで1度に33機の小型衛星を打ち上げており、今回のキューブサット放出は1回の打ち上げでの衛星搭載数ではそれに並ぶ記録となる。

スペースフライトによる次の打ち上げ機会提供は、2014年4月に予定されているISCコスモトラス社のドニエプルロケット打ち上げとなる。ナノラックス・キューブサット・デプロイヤーを使用するの次回の衛星放出機会は、春に予定されているISSへのシグナス補給船Orb-2ミッションとなる。

日本では、有人宇宙システム株式会社がナノラックス社と提携、ISS日本実験棟「きぼう」を利用し超小型衛星を放出する代理店となっている。

《秋山 文野》

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