【フォード フィエスタ 試乗】ヨーロッパでチューンされた足回りは秀逸…松下宏

試乗記 輸入車
フォード・フィエスタ
フォード・フィエスタ 全 15 枚 拡大写真

フォードのフィエスタは日本では存在感の薄いクルマでしかないが、世界的に見ればクラスナンバー1で、総合でも車名別世界6位の売れ行きを示すコンパクトカーである。

【画像全15枚】

今回フルモデルチェンジを受けた新型車は特徴的なデザイン、直噴ターボのエコブーストエンジン、軽快なフットワークなどを特徴とする。

外観デザインはフォードのキネティックデザインが採用されていて、ウェッジの効いたシャープで切れ味のある外観に仕上げている。インテリアはデザイン・質感ともクラスの水準を超えた印象がある。日本で使うことを考えると、純正カーナビがビルトインされないのはやや残念なところ。

搭載エンジンは直列3気筒1.0リットルで、気筒数を少なくして排気量をダウンサイジングした直噴仕様のエンジンに、インタークーラー付きターボを装着してトルクを得るという最近の欧州車に多い手法が採用されている。

発生する動力性能は74kW/170N・mというから、パワーなら1.5リットル級、トルクは1.7リットル級のエンジンに相当する実力を持つ。これでコンパクトなボディを走らせるのだから、元気の良い走りが得られるのは当然である。

トランスミッションは6速のデュアルクラッチが組み合わされ、これもなかなか良くできていた。低速域でギクシャク感を与えることなく、スムーズに走り出し、アクセルの踏み込みに応じて滑らかな変速を見せるからだ。

コーナーの手前で減速した後の立ち上がりにわずかなラグを感じさせることと、パドルではなくサムシフトによる変速操作の操作性がもうひとつなのが難点といえる。

パワートレーンよりも好感が持てたのが足回りで、箱根のワインディングロードを軽快に駆け抜ける実力を示した。ヨーロッパでチューンされたフォード車の足回りは、多くの日本車がベンチマークにするともいわれている。さすがと思わせる軽快感を味わうことができた。

電動パワーステアリングは低速域で軽く、高速域でしっかりした手ごたえのあるもので、ハンドリングも極めて好ましい印象の味付けとされていた。

こうしたシャシー性能を味わうと、改めて日本でもっと売れないものかと思う。フォード車というとアメリカ製の大きなクルマというイメージしかなく、ヨーロッパ製の、というか最近のワンフォードで開発されたフォード車が日本のユーザーにイメージされてないためなのだが、とても残念なことである。

価格は229万円の設定で、やはり輸入車だなと思わせるような割高感があるものの、先進緊急ブレーキを始めとする各種の安全装備や、コンパクトカーとしては高い充実度を持つ快適装備などを考えたら、割高な印象も薄まるというものだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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