パテント・リザルトは、日本に出願された金属回収技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査をまとめた。
電化製品や自動車等に使用される部品には、レアメタル等を含む多くの金属製品が含まれている。近年では産業廃棄物に含まれる金属資源が「都市鉱山」と呼ばれ、天然金属資源に乏しい日本では大きな注目を集めており、同時に金属を回収する技術の開発が活発化している。今回の調査では金属回収技術の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行った。
その結果、総合力ランキングでは、1位 JX日鉱日石金属、2位 住友金属鉱山、3位 DOWAグループとなった。
材料別出願件数をみると、2009年までは各社とも白金族や金を主流としていたが、2010年以降はJX日鉱日石金属、住友金属鉱山をはじめとする企業で、ニッケルやコバルトが急増。これはリチウムイオン電池がモバイル用途から電気自動車等にも普及し始めた時期と合致しており、リチウムイオン電池の電極材料を回収するための技術開発が活発化している。
材料別集計では、総合力1位のJX日鉱日石金属が、希土類を除く、多くの金属材料に対する高評価特許を多数保有する一方、総合力2位の住友金属鉱山は、JX日鉱日石金属には見られなかった希土類に強みがある。そのほかDOWAグループ、三菱マテリアルは金、銀、銅に、三井金属鉱業はニッケル、コバルトに強みがあると評価された。