【アウディ A3/S3セダン 発表】“名指し”ライバルのスバル レガシィ B4と比較

自動車 ビジネス 国内マーケット
アウディ・A3セダン
アウディ・A3セダン 全 10 枚 拡大写真

1月14日、アウディ『A3セダン』『S3セダン』が発表された。

全長4.4mクラスの輸入コンパクトセダンということで、メルセデス『CLA』や(クーペではあるが)BMW『2シリーズ』などが競合として想定されるが、発表会の壇上でアウディジャパンの大喜多寛社長は意外にも「競合はスバル『レガシィ』」と名指し。シンメトリカルAWB/ボクサーエンジン/そしてWRCなどで上げてきたスバルの輝かしい実績が、アウディのそれとオーバーラップする部分もあり、ブランドとして近い位置にあることは確かだ。

一方で、年間3万台という販売目標を達成するには、輸入車購入層だけでなく、国産メイクの300万円アッパーの上級モデルを購入する層も想定顧客としてマーケティングしていくというアウディの狙いがあることは明白だろう。

そこで気になるのがライバル車の存在。ここではスバル レガシィ B4と、サイズ的に近いWRX STI(Aライン)、そしてメルセデスCLAを俎上に上げ、数字で比較してみたい。

ボディサイズ
アウディ A3セダン 1.4TFSI 全長4465×全幅1795×全高1405mm 1330kg
アウディ A3セダン 1.8TFSI クワトロ 全長4465×全幅1795×全高1390mm 1470kg
アウディ S3セダン 全長4470×全幅1795×全高1380mm 1520kg
スバル レガシィ B4 2.0GT DIT EyeSight 全長4790×全幅1780×全高1535mm 1560kg
スバル WRX STI Aライン(4ドア) 全長4580×全幅1795×全高1470mm 1490kg
メルセデスベンツ CLA250 4マチック 全長4685×全幅1780×全高1430mm 1560kg

A3セダンが一番コンパクト。現行モデルのレガシィは先代に比べて一回り以上大型化して、Dセグメント以上のボディサイズとなっている。CLAもベースの『Aクラス』から想像すると意外に大きく、4700mm近くあり全長だけでみれば『Cクラス』より大きい。その他、全幅は各車1800mm弱で大きな差はない。WRX STIはCLAとA3セダンの中間程度のサイズ。

パワートレーン
アウディ A3セダン 1.4TFSI 1.4リットル直列4気筒ターボ 122ps/20.4kgm 7速DCT FF
アウディ A3セダン 1.8TFSI クワトロ 1.8リットル直列4機気筒ターボ 180ps/28.6kgm 6速DCT AWD
アウディ S3セダン 2リットル直列4機気筒ターボ 280ps/38.8kgm 6速DCT AWD
スバル レガシィ B4 2.0GT DIT EyeSight 2リットル水平対向4気筒ターボ 300ps/40.8kgm CVT AWD
スバル WRX STI Aライン(4ドア) 2.5リットル水平対向4気筒ターボ 300ps/35.7kgm 5AT AWD
メルセデスベンツ CLA250 4マチック 2リットル直列4気筒ターボ 211PS/35.7kgm

レガシィ/WRX STIのスバル勢がS3セダンをしのぐパフォーマンスを見せる。ただしメルセデスには360PSというすさまじいパワーを発揮するCLA45 AMGというモンスターマシンもある。とはいえアウディもS3で280PS、1.8TFSIでも180PSもあり、十分以上のパフォーマンス。1.4TFSIも数年前の2リットル自然吸気エンジン並みのトルクを発生し、ボディも1330kgと1.8TFSIと比較しても140kgも軽量。通常の走りに痛痒を感じることはないはずだ。

◆装備類(ナビゲーション)
ナビゲーションはCLA250以外はいずれもオプションだが、A3シリーズは5.8インチのディスプレイとMMIインタフェースのオーディオシステムが標準装備。オプション(30万円)で7インチのリトラクタブルディスプレイとアウディ・コネクト(WiFiルータ機能)が付くMMIナビゲーションシステムが装着可能。

レガシィはプレミアムサウンドシステムとHDDナビゲーションシステムとのセットオプションとなっており34万6500円。ナビとマッキントッシュサウンドシステムを組み合わせると50万4000円となる。WRX STIはメーカーオプションでナビは用意されていないが、ディラーオプションとしてナビを各種チョイス可能。インテリアとのマッチングにこだわりがなければカー用品店で市販品を購入するという手もある。

◆装備類(先進安全)
EyeSightが標準装備のレガシィがACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)、プリクラッシュブレーキなどの予防安全機能が充実。他のESC/ESP/VDC(横滑り防止装置)なども全車標準だ。CLAもなかなか充実しており、アダプティブハイビームアシスト、CPA(追突警告システム)が標準。

価格
アウディ A4セダン 1.4TFSI 325万円
アウディ A4セダン 1.8TFSI クワトロ 410万円
アウディ S3セダン 561万円
スバル レガシィ B4 2.0GT DIT EyeSight 348万6000円
スバル WRX STI Aライン(4ドア) 315万円
メルセデスベンツ CLA250 4マチック 484万円

こうしてスペックで比較するとコストパフォーマンスで見ればレガシィ/WRX STIが圧倒的。ただ、この2車はオーディオ/ナビゲーションがレスオプションのため、これらを装着すると後付け感がでてしまうのは否めないところ。また、インテリアの質感も、正直スバル勢は少々分が悪い。一方、アウディ/メルセデスはD/Eセグメントの上級車と比べても遜色ない。

A3セダンはドイツ御三家輸入セダンとしては最安の325万円というプライスタグが大きなインパクトを持っている。CLAはベーシックモデルのCLA180が335万円で、ベースとなったAクラス(284万円~)と比較するとかなり高めの設定となっているので、相対的にA3セダンが安く見える。A3セダンは年間5000台の販売目標を掲げているが、戦略的な値付けからしてA3ラインナップの主力はスポーツバックではなくセダンと考えるべきだろう。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. 15歳から運転できる「小さいオペル」に興味アリ!「通勤用にこういうのでいいんだよ」など注目集まる
  5. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る