【マツダ CX-60 新型試乗】乗り心地、フラット感は進化。3年目の通信簿としては…中村孝仁

マツダ CX-60 XDドライブエディション
マツダ CX-60 XDドライブエディション全 25 枚

2022年に発売が開始された、マツダ渾身のラージプラットフォーム群の第1弾『CX-60』。エンジン、トランスミッション、駆動方式、骨格などすべてを一新したモデルだった。

【画像】マツダ CX-60 XDドライブエディション

そんなわけだから、オールニューに有りがちな初期トラブルにも悩まされて、本来売れ筋であったろう、ディーゼルエンジン搭載車の発売は延期され、2023年1月にずれ込んだ。あれから3年、ICEの3.3リットルディーゼルを搭載した、「XDドライブエディション」に試乗してみた。

デビュー当初から申し訳ないとは思うが、率直な意見を言わせていただき、これまで多くの部分で改善を見てきた。


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ざっとおさらいをすると、デビュー当時のクルマは、リアからの突き上げ感があり乗り心地に不満、そしてトランスミッションのギクシャク感あり、さらにエンジン透過音が気になるなど、あちこちネガな部分が多かった。

2024年に乗った時は、突き上げは減少したものの消えておらず、トランスミッションのギクシャク感も消えていなかった。ところが2025年に乗った時は、フラット感という点ではまだあと一歩だが、突き上げ感は解消し、トランスミッションのギクシャク感も消えていると報告している。

◆公表されずとも乗り心地、フラット感は進化


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そして2026年、3年目の試乗である。2025年秋に小変更が施されたモデルだが、メカニカルな変更については言及されていない。しかし、過去の例からしても公表せずに僅かずつ変えているから、今回もそれなりの期待をした。

で、結論はどうかというと、やはり明らかに前回よりもまた乗り心地の点で進化している印象を受けた。

2025年の改良時点で、リアのスタビライザーを外し、ゴムブッシュを軟らかめにして、リアからの突き上げ感減少と、乗り心地の改善を試みていたが、その時はそのゴムブッシュが柔らかすぎる印象を持った…というのが前回の評価であったが、今回果たしてその部分での改良があったのかは、エンジニアと話をしていないので不明だが、明らかに改善された印象を受けた。


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フラット感の不足に関しても、大きく改善された印象である。もっともマツダはハンドリングと快適性の2者択一になった場合の優先事項が、ハンドリングにあると個人的には思っているので、サスペンションのセッティングは、どちらかといえば硬めの方である。それ自体はいわゆるメーカーのカラーだと思うから、悪いとは思わないし、今回はしっかりと締められたスポーティーな乗り心地、という評価をしたいと思う。

いつも言うように、人間の感性は直前まで乗っていたクルマに左右されやすい。今回その直前まで乗っていたのは、日産『エクストレイル』である。つまりエクストレイルからCX-60に乗り換えたわけだが、乗り心地の印象としては…「大差ない」であった。

◆CX-60、3年目の通信簿は


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2025年時点で、すでにトランスミッションのギクシャク感は消えていたので、今回もそれは全く感じられなかった。ただ、問題がないわけではなく、トランスミッションが発する「ゴー」という不快なノイズが、今回は顕著に確認された。

その音は「ゴー」というよりもむしろ、「ガガガガ」というか、「ザザザザ」に近いもので、エンジンの冷間時に特に顕著に出る。水温が適正まで上がると、その音は小さくなるものの、やはり止まる直前になると顔を出し、意図的にアイドリングストップしない状況を作り出すと、エンジンとは別に常にこの音が発する状況になる。

実は、CX-60の試乗は過去一番寒いと思われる時期でも3月で、1月の厳寒時に乗るのはこれが初めてだった。そしてこの不快なノイズは、特に冷間時にそれが顕著になる。車両を返却する時にその旨担当に話をすると、彼らもそれは把握していた。やはり、トルコンを使わない独自の8速ATを作り上げたマツダの努力は買うとしても、早いうちにこうしたネガな要素を消していかないと、市場からも敬遠されてしまう。

乗り心地、ギクシャク感などはすべて消えて、残るはこの不快なノイズだけ。まあ、エンジンももっと静粛性をあげて欲しいというのが本音なのだが、まずはこの不快なノイズ削減に手を付けてほしいと思うのが、CX-60、3年目の通信簿である。


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■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)
AJAJ会員・自動車技術会会員・東京都医師会「高齢社会における運転技能および運転環境検討委員会」委員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来48年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。最近はテレビ東京の「開運なんでも鑑定団」という番組で自動車関係出品の鑑定士としても活躍中。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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