【フォードフィエスタ試乗】3気筒であることを感じさせない高性能エンジン…諸星陽一

試乗記 輸入車
フォード・フィエスタ「1.0 EcoBoost」
フォード・フィエスタ「1.0 EcoBoost」 全 12 枚 拡大写真

フォードの主力コンパクトである『フィエスタ』がフルモデルチェンジし6代目となった。新しいフィエスタはヨーロッパ中心のモデルを脱却し、真の意味でのグローバルカーを目指している。

走り出して1分。フィエスタは素晴らしいフィーリングを持つことを予感させてくれた。非常に曖昧な表現で恐縮だが「カッチリしている」ことを主張したのだ。

1分の試乗で原稿を書いては申し訳ない。1時間くらい乗ってからの印象に話を移そう。まず、1リットルの3気筒エンジンのフィーリングだが、これがまったく3気筒であることを感じさせない。妙な振動や不整脈のような息継ぎ感はなく、スムーズにトルクを発生する。ターボによる過給で最高出力は100馬力、最大トルクは170Nmを発生する。最大トルクは1400回転で発生、そのまま4000回転までフラットな特性を維持する。

このエンジン特性は乗ればすぐに体感できる。アクセルペダルを踏み込んでいけば、アイドリングレベルからグイグイと加速していく力強さを感じられるのだ。その力感は快感そのもの。ちょっと忘れかけていたコンパクトスポーツのワクワク感がグングンと蘇ってくる。

素晴らしく出来のいいエンジンをサポートしているのが、デュアルクラッチ式の6速ミッションだ。奇数段と偶数段がそれぞれ別のラインでスタンバイし、クイックなシフトチェンジが行われる。基本はATだが、マニュアル操作も可能だ。ドイツ勢のデュアルクラッチ式と比べると若干(ほんとうにわずかな)タイムラグがあるが、気になるレベルではない。ピシッ、ピシッと変速し、キビキビとクルマを走らせる。マニュアル操作は、セレクトレバーノブの横に取り付けられたシーソースイッチで行う方式。残念ながらこのスイッチでの操作は非常にやりづらい。

ハンドリングも秀逸。ステアリングを操作したなりにクルマが曲がっていってくれる。操舵初期の応答性がいいので、コンパクトなボディを操るにはじつに気持ちのいいセッティング。ただひとつ気になったのは、ステアリングを戻す際のトルクが大きいこと。これがタイヤやサスペンションのアライメントに由来するセルフアライニングトルクではなく、電動パワステによって作られているトルクのような感じがある。

価格は229万円と比較的リーズナブルだが、ここはがんばって200万円を切るところまで持ってきてもらいたいところ。使用燃料はハイオク。できればレギュラーにして欲しいところだが、走りの質を考えればどうにか納得できる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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