【オートモーティブワールド14】高齢社会の交通弱者を救済するか…超軽量小型EV

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できるだけ軽量化を図るため、オープンフレーム構造になっている。総重量は94kg
できるだけ軽量化を図るため、オープンフレーム構造になっている。総重量は94kg 全 5 枚 拡大写真

「オートモーティブワールド2014」の村田製作所ブースでは、「2 人の移動に適した必要最小限度のサイズで美しい乗り物」をコンセプトにした超小型ビークル「ZieD α1」を展示していた。

これはジードが開発した2人乗りの超小型EVで、今後の高齢化社会で問題になりそうな交通弱者に対する解答の1つになるものだという。2015年に市場への投入を予定しているそうだ。

人に優しいという点では、タンデム2座席の前席から搭乗する際に10cmの段差しかなく、お年寄りや障がい者はもちろん、子供でも妊婦でも簡単にアクセスできるという特徴がある。一方、ドライバーはタンデム後席に座り、前席を見守りながらEVを運転することが可能だ。また走行の安定性を高めるために、約10cmのストロークを持つサスペンションを装備している点も特徴だろう。

車体はオープンフレーム構造で、重量を94kgまで抑えている。軽量化することで、リチウムイオン電池で可能な限り走行距離を伸ばせるように工夫したそうだ。そこで村田製作所の「高出力型ハイブリッドリチウムイオン蓄電池モジュール」を採用したという。

この蓄電池モジュールは、W150×D250×H150mm、質量3.5kgとコンパクトサイズながら、高出力な容量を持つ。単モジュール (24V系5Ah)では約130Whを有し、複数のユニット構成にも対応する。6分間ほどの充電で約9割の充電量を確保でき、100Aまでの大電流放電が可能だ。期待寿命も10年 と長い(常温環境下で充電・放電を1日1回行った場合)。

うまくパワーマネジメントすれば、3相ブラシレスサーボモータを高トルクで瞬時に動作させ、段差や坂道がある場所での無段階変速が可能だ。従来のように無駄なギアも要らない。現在のところ時速25kmで走行し、1回の充電における航続距離は20km(公称値)。ただし実測で最大40kmまでは走れるとのこと。

このほか、回転半径をできるだけ小さくする4WS(4輪操舵)や、自動パーキングブレーキ・坂道発進アシスト機能、超音波センサによる衝突防止機能なども備えている。将来的には、自動運転のための「ステア・バイ・ワイア」(機械的なステアリングシャフトではなく、ステアリングホイールと前輪の車軸をワイヤーハーネスで接続する方法)もインプリメントしていきたいという。

《井上 猛雄》

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