2014年1月23日、株式会社ウェザーニューズと株式会社アクセルスペースは、昨年11月に打ち上げられた、北極海の海氷を観測する超小型衛星、『WNISAT-1』が初期運用を開始し、カナダ・ハドソン湾沿岸での画像撮影と地上局での受信に成功したと発表した。
WNISAT-1は、2013年11月にロシア・ヤースヌイ宇宙基地からドニエプルロケットで打ち上げられた超小型衛星。ウェザーニューズによる、北極海航路での高精度な海氷の予測と船舶の安全運航をサポートするための専用衛星となる。高度600キロメートルの太陽同期軌道で、可視光と近赤外光のカメラを搭載し、画像の分解能は0.5キロメートル、画像撮影領域は500×500キロメートルとなる。超小型衛星ベンチャー企業、アクセルスペースが開発を担当し、昨年打ち上げられた。
衛星は12月から海氷を観測するカメラの動作確認試験を行っていた。今回、北極海の一部、カナダのハドソン湾沿岸(オンタリオ州沿岸)を12月20日に可視光カメラで撮影した画像を公開した。民間気象衛星として超小型衛星による画像撮影は世界初という。現在、衛星は初期運用の段階にあり、今後の本格的な海氷観測に向けて準備作業を継続するとしている。
近年では超小型衛星による商用地球観測衛星の打ち上げ、ベンチャー衛星開発企業の参加が加速してきている。WNISAT-1と同時にドニエプルロケットで打ち上げられた米スカイボックス イメージングの「SKYSAT-1」が商用地球観測衛星で初めてHD動画を撮影、公開しているといった例がある。