【フォード フィエスタ 試乗】いつでもトルクバンドの真っただ中…西村直人

試乗記 輸入車
フォード フィエスタ
フォード フィエスタ 全 14 枚 拡大写真

ダウンサイジングの波はさらに進み、グローバルでは3気筒1.0リットルターボが下限になりつつある。フォードのそれはフォルクスワーゲンの4気筒1.2リットルターボ+7速DCTとは一味違う、実用走行域における分厚いトルクフィールが特徴だ。

【画像全14枚】

最大出力は100psに止まるが17.3kgf・mの最大トルクはわずか1400rpmから立ち上がり、それが4000rpmまで持続する。加えて6速DCTは小排気量ならではローギヤードな設定だから、アクセルを踏めばいつでもトルクバンドの真っただ中だ。正確にはフルブーストになるまでに若干のラグはあるものの、そこはロングストローク型3気筒が本来もっている豊かなトルクカーブが補完する。だから、右左折直後の加速からタイトコーナーの立ち上がりまで、もどかしさを感じることがない。

一方、高回転域はあまり得意ではない。4000rpm付近ですでに100ps近くを発生していることからも、そこを境に一気に伸びが劣りはじめ、5000rpmを超えると回転フィールも重くなる。ここが昨年末に試乗したホンダの3気筒1.0リットルターボ(プロトタイプ)と決定的に違うところだ。ホンダの試乗車はCVTだったが、高回転域でのキレはフォードとは違い鋭さが際立っていた。

乗り味は上品で、急激な路面変化でもズシンとした重い衝撃を身体に伝えてこない。このところのフォードは『フォーカス』、『クーガ』ともにシートの出来が非常によく、日本人の体躯にもピタリとハマる。サスとシートの減衰特性に195/45R16の偏平タイヤが絶妙にバランスしているため、雪交じりのワインディング路であっても緊張感なく走りを堪能することができた。

個人的には、ダウンサイジングされたパワーユニットを手に入れたのだから、あと20mmほど幅をスリム化し5ナンバーサイズとなればさらに良かったと思うが、赤外線レーザー式ながら「衝突被害軽減ブレーキ」を標準装備とし229万円に抑えた価格設定は大いに魅力。フォードの新たなるエントリーユーザーにも推奨したい一台だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

●プロフィール
西村直人:1972年1月東京生まれ。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『セレナ』次期型は2028年登場か!? 第3世代e-POWER搭載へ
  2. トヨタのミッドシップと言えば『MR2』だが?…土曜ニュースランキング
  3. 三菱『パジェロ』3階層のシリーズ展開へ…軽も登場、壮大なシリーズ化が始まる
  4. 四輪事業で苦戦のホンダ、三菱自動車からタイ生産の『トライトン』をOEM供給へ[新聞ウォッチ]
  5. 内装材が難燃基準に適合せず『ムーヴ』など1万台リコール…9月掲載のリコール記事まとめ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  2. EV・欧州減速=日本が正しかった、では見えてこない欧州市場と中国の戦略[インタビュー]
  3. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
  4. NITTANのエンジンバルブ技術、インドで実証へ…経産省グローバルサウス事業に採択
  5. CASE革命と電動化、次世代の自動車部品
ランキングをもっと見る