アトラスVロケット データ中継衛星『TDRS-L』打ち上げに成功

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アトラスVロケット データ中継衛星『TDRS-L』打ち上げに成功
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日本時間2014年1月24日、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)はNASAのデータ中継衛星最新機『TDRS-L』を米フロリダ州・ケープカナベラル空軍基地からアトラス V401ロケットで打ち上げに成功したと発表した。

現地時間1月23日21時33分に行われた打ち上げは、2014年にULAが予定している15回の打ち上げの初回となる。打ち上げはアトラス Vロケット401形態を使用し、第1段にRD AMROSS RD-180エンジン、RL 10A-4エンジンを搭載したセントール上段ステージ、直径4メートルフェアリングの構成となっている。打ち上げから106分後に上段ステージから衛星が切り離され、打ち上げは無事に成功した。

TDRS-Lは1973年に始まったNASAの「スペース・ネットワーク」衛星シリーズの第三世代で最新機。ボーイング スペース システムズが製造を担当した衛星は、同社の601衛星バスをベースにしており、打ち上げ重量3454キログラム、高さ8.26メートル、太陽電池パネルの端から端まで21メートルの大きさになる。S帯、Ku帯、Ka帯の送受信機を搭載し、運用寿命は15年の予定。2013年1月に打ち上げられたTDRS-KとTDRS-L2機を合わせた開発費は7億1500万ドルとなっている。

データ中継衛星は高度約3万6000キロメートルの静止軌道から、地球低軌道を周回する国際宇宙ステーション、ハッブル宇宙望遠鏡や地球観測衛星ランドサット、2月28日に鹿児島・種子島宇宙センターから打ち上げられる予定の全球降水観測計画GPM主衛星 GPM/DPRなどのデータを中継し、ニューメキシコ州ホワイトサンズやグアムの地球局に送信する役割を担っている。高速で地球を周回する低軌道の衛星が直接に地上局と交信すると、交信できる時間が短く、送受信できるデータ量が限られてしまう。静止軌道上の衛星へデータを送信すれば、地上局を利用する場合の5倍上の時間、低軌道衛星と通信が可能になる。静止衛星であるデータ中継衛星は地上局と安定して交信できる。国際宇宙ステーションと通信する際に応答にタイムラグが発生するのは、高度約400キロメートルの国際宇宙ステーションからさらに高高度のデータ中継衛星と交信し、地上局へ中継する時間のためである。

《秋山 文野》

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