三陸鉄道、4月6日までに全線復旧…クウェート車も増備

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全線再開にあわせ導入される三陸鉄道の新お座敷車両・36-Z1形。4月6日に全線再開する北リアス線で運用される。
全線再開にあわせ導入される三陸鉄道の新お座敷車両・36-Z1形。4月6日に全線再開する北リアス線で運用される。 全 3 枚 拡大写真

三陸鉄道は1月27日、東日本大震災の影響で運休中の区間を4月中に全て再開すると発表した。再開日は南リアス線吉浜~釜石間が4月5日、北リアス線小本~田野畑間が4月6日。これに伴い新しい車両を5両導入する。

三陸鉄道は、北リアス線宮古(岩手県宮古市)~久慈(久慈市)間71.0kmと、南リアス線盛(大船渡市)~釜石(釜石市)間36.6kmを運営している第三セクター。2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で全線が運休となった。

比較的被害の少なかった北リアス線の宮古~小本間と陸中野田~久慈間は、同年3月29日までに再開したが、それ以外の区間は津波で路盤が流失するなど甚大な被害を受け、数年単位の復旧工事を要することになった。

その後、2012年4月1日に北リアス線田野畑~陸中野田間、2013年4月3日に南リアス線盛~吉浜間が順次運転を再開。今回、最後に残った南リアス線吉浜~釜石間15.0kmが4月5日、北リアス線小本~田野畑間10.5kmが4月6日に再開することが決まった。全線再開後は、南リアス線で上下各9本の列車を運転。北リアス線は宮古~久慈間で上下各11本運転するほか、田野畑~久慈間などの区間運転列車も設定される。

全線再開にあわせて導入される車両は、新お座敷車両の36-Z1形1両と新レトロ車両の36-R3形1両、新一般型車両の36-700形3両で、3月20日頃に納入される予定。南リアス線の一部再開にあわせて導入した車両と同様、クウェートからの震災復興支援の一部を活用する。

新お座敷車両の36-Z1形は、北リアス線の企画列車や団体貸切列車で使用。空気ばね台車を採用し、従来のお座敷車両より乗り心地を改善する。車内外は「岩手の古民家」のイメージでまとめ、岩手の伝統工芸品を展示する。新レトロ車両の36-R3形は、現在のレトロ調車両と同型だが、色やデザインを一部変更。祝日などに南リアス線の定期列車で運転するほか、団体貸切列車として使用する。36-700形は2013年、南リアス線の一部再開にあわせて同線に3両導入されており、今回は北リアス線用として3両増備し、老朽化した車両を置き換える。

全線運転再開を記念した式典は、南リアス線が4月5日13時30分~14時30分に釜石駅前で、北リアス線が4月6日10~11時に宮古駅前で、それぞれ実施される。式典にあわせて運転再開記念列車も運転される。

南リアス線の記念列車は新レトロ車両と36-700形の2両編成で、盛11時30分発~釜石12時50分着、釜石14時11分発~盛15時08分着のダイヤで運転。北リアス線の記念列車は新お座敷車両とレトロ車両の2両で編成を組み、往路は久慈8時05分発~宮古9時40分着の定期列車(36-700形)に連結して運転し、復路は宮古11時32分発~久慈13時35分着のダイヤで運転する。

三陸鉄道が全線の運転を再開すると、私鉄や第三セクターなどの被災路線の復旧が全て完了し、残るはJR東日本の運休路線だけになる。

《草町義和》

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