岐阜市に本社を構える中小企業、篠田は「ENEX2014」にユニークな小水力発電システムを紹介した。それは「VORTEX」と名付けられ、オーストリア人が開発したものだ。欧州ではすでにいろいろなところに設置されて活躍しているとのこと。
そのシステムを簡単に説明するとこうだ。小川のような小さな川のそばにタンクを設置し、川の水が入るようにする。そのタンクの底には穴が開いている。すると、浴槽の栓を抜いたときのように水の渦が起こる。その渦のところにスクリューのようなタービンを入れ、それを回すことによって発電するというもの。
しかも、その発電システムはもう一つの効果もある。それは設置箇所の水に空気を取り込むことになるので、水質改善につながり、生態系に好影響を与えるというのだ。そのため、欧州では設置した場所が近隣住民の憩いの場所になっているそうだ。
タンクの大きさは直径6mで、電力量は約10kW。価格は1800万円(工事費別)だ。今回の展示会では30分の1の模型が展示され、タービンのうえにある豆電球が点灯していた。
「日本ではまだ設置された事例はありませんが、早く事例をつくって、日本の人にこの発電システムを実際に見てもらい、その良さをわかってもらいたい」と篠田関係者は話していた。