【フォード フィエスタ 試乗】無味無臭な同クラス車のなかでキラリと光る個性…河村康彦

試乗記 輸入車
フォード・フィエスタ「1.0 Ecoboost」
フォード・フィエスタ「1.0 Ecoboost」 全 14 枚 拡大写真

“エコブースト”エンジンと“パワーシフト”を謳う6速DCTの組み合わせが実現するのを待ち、「満を持しての日本再導入となった」というのがこの『フィエスタ』。

ボディサイズや5mという最小回転半径も、日本への高い適性を予感させてくれるポイント。なかなかスタイリッシュなフォルムも、新興国市場にフォーカスした結果、妙に“無味無臭”で退屈なものばかりとなってしまった多くの日本の同クラス車たちに対して、ひと味違うキラリと光る個性をアピールする。

まずは街中を走り始めると、うかつにも最初の10分ほどは、「それが3気筒エンジンの持ち主であること」をすっかり失念してしまっていた。特に高回転まで引っ張らない限り、3気筒ユニットならではというノイズや振動は「全く気にならない」というレベル。アイドリング状態でクルマを降りての車外ですら、そんな印象は同様であったということだ。

逆にノイズ面で惜しいのは、このクラスのモデルの中でも全般にロードノイズが大きめで、しかもその変動幅が路面状態の変化に(良くない意味で)敏感である点。

どうやらそこには、韓国ハンコック製の標準装着タイヤの影響も少なくない感触…といった機能面の問題以前に、そもそも販売網もより充実をした“自前”の乗用車メーカーが8つもありながら、ヨーロッパからの舶来モノに期待してわざわざこうしたモデルを選ぶ日本の輸入車ユーザーの気持ちが、「まだまだ理解をされていないんだナ」、と、こんなところから思わされてしまうのが残念だ。

それにしても、低回転域からのまるで良く出来たディーゼル・エンジンを彷彿とさせる太いトルク感を筆頭に、様々なポイントで“味の濃い走り”を提供してくれるのがこのモデル。そこに盲点があるとすれば、マイナーチェンジは遂げたものの現行型の誕生は2008年ゆえ、実はそろそろモデルライフ後半に差し掛かっているはず、というところだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ『ケイマンS』、スマート『フォーツー』、そしてVW『ルポGTI』(ただしドイツ置き去り)。

《河村康彦》

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