マツダは2月5日、2014年3月期第3四半期決算の会見を開き、通期の営業利益を1800億円(前期比3.3倍)、純利益を1100億円(同3.2倍)になると発表した。それぞれ過去最高の利益で、10年3月期以来、4年ぶりの復配を果たす。
「数年前から行ってきた構造改革が確実に実を結んできた」と小飼雅道社長は業績を評価し、安堵の表情を浮かべた。特に牽引役をなったのが、独自の環境技術「スカイアクティブ」を搭載した車だ。複数車種にわたる設計や部品の共通化などで1台あたりの利益が大幅にアップ。従来の車に比べて2~3倍といわれている。その結果、営業利益率も大きく上がり、6.7%とホンダを上回るまでになる。
しかし、マツダのこれまでに歴史を振り返ると、外部環境に大きく左右されてきた。円高になると、赤字に陥り、無配に転落するという歴史を繰り返してきた。そのことは小飼社長も十分承知しており、「これからが構造改革の正念場。今後とも気を引き締めていきたい」と話す。
言ってみれば、今回の好業績は前社長の山内孝会長が地道に行ってきた改革によってもたらされたもの。小飼社長はこの業績をさらに良くし、安定した配当を行っていける経営体質をつくっていかなければならない。そのために、構造改革をさらに加速させる姿勢を見せていた。