スズキ、二輪事業の黒字化は来期に持ち越し

モーターサイクル 企業動向
東京モーターショーで展示された「隼」の日本仕様車
東京モーターショーで展示された「隼」の日本仕様車 全 2 枚 拡大写真

スズキは2月6日、2014年3月期第3四半期決算を発表した。2期連続の増収増益だったものの、二輪事業は赤字。会見に出席した記者からも「いつ赤字が解消するのか」といった厳しい質問が飛んだ。

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円安で赤字が前年同期の100億円から54億円改善したが、「今期の黒字化は難しく、いま正念場といった状況で、来期には解消したい」と長尾正彦常務役員は話す。これで、2009年3月期以降、6期連続の赤字となる。

頼みの綱だった大型二輪車はリーマンショック以降、低迷したまま。一方、アジアで好調な小型二輪車はホンダやヤマハ発動機の勢いに押されている。「昨年の春から二輪車事業本部を新しい体制にして、コスト削減はもちろんのこと、在庫処理などさまざまな課題の対応に取り組んでいるところ」と長尾常務役員は説明するが、スピードが遅すぎると言わざるを得ない。

ただ、国内のバイクファンにとっては嬉しいニュースもある。それは、世界各国で人気の高い『隼』の日本仕様車を2月10日から発売すること。市販車で世界最高速を誇るバイクとして国内でもその逆輸入車に乗っているライダーは多い。「これから大型二輪車を拡充して、スズキ二輪車のイメージアップを図っていく」と長尾常務役員は強調する。

いずれにしても、スズキの二輪事業は小型車を中心にして台数を追うのか、それとも大型車を中心にして収益を確保していくのか、明確な方針を立てる時期に来ていると言っていいだろう。今のままでは「二兎追うものは一兎も得ず」という諺のように、赤字を繰り返すことにもなりかねない。

《山田清志》

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