【日産 エクストレイル 試乗】売れ筋の本格派SUVらしい先進機能や使い勝手…松下宏

試乗記 国産車
日産・エクストレイル
日産・エクストレイル 全 16 枚 拡大写真

日産『エクストレイル』は本格派SUVの売れ筋モデルとして安定した人気を集めてきた。今回のフルモデルチェンジでは、悪路走破性の高さやタフギアとしての使い勝手などをしっかり継承した上で、先進技術を盛り込み、環境性能を高めるなどの進化を図っている。

外観デザインはいかにも本格派SUVらしいものから、クロスオーバーSUV的な雰囲気を持つものに変わった。この変化には賛否があるようだが、いやみのないよいデザインだと思う。

インテリアも無骨なSUV感覚ではなく、ソフトパッドの採用など乗用車感覚でまとめられるとともに、シートやフロア、2段式のラゲッジボードなどに防水仕様が施され、アウトドアでのタフな使い勝手を高めている。

パッケージングは全幅が拡大されて1800mmを超えたのが残念な点。国内で使うことを考えたら全幅は1800mm以内に収めてほしいところだった。

搭載エンジンはディーゼルが廃止されて新開発の直列4気筒2.0リットルの直噴仕様のみになり、新世代のエクストロニックCVTと組み合わされた。セレナと同じ方式のアイドリングストップ機構が装着され、燃費に貢献している。またディーゼルの代わりにハイブリッド車を投入することが発表されている。

MR20DD型エンジンは自然吸気ながら直噴仕様などによって動力性能を高めている。新型エクストレイルはSUVの割には比較的軽く作られているので、108kW/207Nmの動力性能は必要にして十分といえる。市街地から高速クルージングまで、走りに不満を感じるシーンはなかった。普通に良く走るクルマという印象だ。

CVTはマニュアルモードが付くM6ではないが最新の仕様で、アクセルを踏み込んで加速するときにはギア段を刻んで加速するような制御が入っている。CVTにありがちな違和感を解消し、走りの実感が得られるようにしたものだ。

今回のエクストレイルには、アクティブ・エンジンブレーキを始め、コーナリング・スタビリティアシストやアクティブライド・コントロールなどの新しい電子制御技術が採用されている。これによってより安定性に優れた走りが得られるようになったのも良い点だ。

さらに、新型エクストレイルにはエマージェンシーブレーキが採用されている。これはソナーとカメラを使った簡易型の先進緊急ブレーキだが、比較的低価格なのにカメラによって人間認識ができるのが良い点で、高い速度域でも機能するのも良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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