日・台・仏の国際研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、おうし座にある若い原始星「L1527」を観測し、生まれつつある円盤の外縁部で化学組成が劇的に変化していることを発見した。
これまで、星間空間の物質は、静々と惑星系円盤に降り積もり、取り込まれていくと考えられていた。しかし、今回の観測によって、実際には星に降り注ぐガスが遠心力のために円盤の外縁部にとどまり、そこで局所的な加熱が起こって大きな化学変化を引き起こしていることが明らかになった。
今回の発見は、惑星やそのもとになる円盤の形成過程を理解する上で、非常に大きな意義を持つとしている。
今回の研究は、「原始惑星系円盤の誕生時における化学組成」というテーマに新たにスポットライトを当てる結果となった。
研究チームでは、今回の結果が多くの赤ちゃん星のまわりでも当てはまる普遍的なものなのか、天体によって大きな違いがあるのか、今後の観測で明らかにしていく。
今回の研究成果は米国の科学雑誌「Nature」2月12日号に掲載された。