ISS「きぼう」日本実験棟でメダカの顕微鏡観察実験…宇宙生活で骨の量減少を解明へ

宇宙 科学
「きぼう」で撮影された顕微鏡画像(写真提供:東工大 工藤教授)
「きぼう」で撮影された顕微鏡画像(写真提供:東工大 工藤教授) 全 2 枚 拡大写真

国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟で、メダカの顕微鏡観察実験が実施された。

生命科学実験テーマ「メダカにおける微小重力が破骨細胞に与える影響と重力感知機構の解析」を、「きぼう」にある蛍光顕微鏡を使用して実施された。

観察容器に入ったメダカはプログレス補給船(54P)に搭載され、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から2月6日午前1時23分(日本時間)に、ロシアのソユーズロケットによって打ち上げられた。

その後、ISSに長期滞在している若田光一飛行士が観察容器を蛍光顕微鏡にセットし、2月7日未明から2月14日まで顕微鏡観察実験が行われた。

宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで長期間生活すると、骨の量が著しく減少することが知られている。これは、新しく作られる骨の量と、役割を終え血液中に吸収されていく骨の量バランスが、微小重力環境ではくずれ、生成される量の方が少なくなるためと考えられている。

微小重力環境では、骨の量を減らす働きをする細胞(破骨細胞)が活性化するため、このような現象が起こるものと推定されるが、基本的、重要なことは解明されていない。

宇宙においてメダカを用いて破骨細胞の状態を解析することで、これまでに見えていない、骨代謝の新しい機構が明らかになる可能性がある。これらの実験成果は、皮質骨の骨量低下が見られる老人性骨粗鬆症の新たな治療法開発へのきっかけとなることが期待されている。

実験では、メダカを用いて骨代謝のメカニズムを解明するため、2012年10月から約2カ月間にわたって行われた長期飼育実験に引き続いて、短期蛍光観察実験として行われたもの。実験では、破骨細胞、骨芽(造骨)細胞で特異的に蛍光を発するトランスジェニックメダカの稚魚を、「きぼう」の蛍光顕微鏡で観察した。

《レスポンス編集部》

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