コマツは2月18日、南アフリカにおいて、歴史的に不利益を受けてきた黒人および有色系の人々の地位向上を目的に、人材育成プログラムを提供する信託を設立すると発表した。信託の名称は「コマツ・ディベロップメント・トラスト」とし、2014年7月に設立する。
南アフリカでは、白人とアパルトヘイト時代に不利益を被ってきた黒人との格差が、アパルトヘイト関連法が廃止されて20年を経ても十分に埋まらないままだという。南アフリカ政府は、立法措置および政策実施により、黒人の経済的地位向上に努めており、特に鉱山業界では、政府の要請に応えるべく、鉱山関連企業で黒人の資本参加を促進することを目指している。
コマツは、南アフリカにおいて、コマツ南部アフリカ(KSAf)を、KSAfの20%株式を保有する伊藤忠商事と共同で保有しており、KSAfを通じて、南アフリカおよび周辺国で、建設・鉱山機械の販売・サービスに従事している。今回KSAfは、その全事業を新たに設立する新会社に移管。新会社の25.04%の株式をコマツトラストが保有し、残りの株式をKSAfが保有する。
コマツトラストは、新会社から受け取る配当の一部を、黒人の人材育成プログラムに提供。具体的には、建設・鉱山機械を扱うオペレーターやメカニックの養成プログラムの支援や、KSAfが2007年から南アフリカの顧客と共に提供している、若者向けの基礎教育プログラムの継続などを行う。