国際宇宙ステーション(ISS)に結合されていたシグナス補給船(Orb-1)は、2月20日午前3時20分(日本時間)に太平洋上空で大気圏に突入し、燃焼廃棄された。
シグナス補給船は、日本時間2月18日午後7時15分にISSのロボットアーム(SSRMS)によって「ハーモニー」(第2結合部)から取り外され、2月18日午後8時41分にSSRMSから解放されて、SSを離脱した。
SSRMSの操作は、第38次長期滞在クルーのNASAのマイケル・ホプキンス宇宙飛行士が担当し、若田宇宙飛行士がホプキンス宇宙飛行士をサポートした。
シグナス補給船は、2月19日午後10時11分から軌道離脱を開始し、その後、2月20日午前3時20分に太平洋上空で大気圏に突入し、燃焼廃棄された。
シグナス補給船ミッションは、民間企業であるオービタル・サイエンシズ(OSC)のシグナス補給船運用1号機を、同社が開発したアンタレスロケットで打ち上げ、ISSに物資を補給するフライト。2013年9月に打ち上げられたシグナス補給船実証機のミッション成功を受けて、今回のフライトから、商業輸送となった。
シグナス補給船では、超小型衛星などの物資をISSに輸送する。
OSCは、米航空宇宙局(NASA)との契約に基づきシグナス補給船を開発、打ち上げからミッション終了までの運用も受託している。
シグナス補給船のISSへのランデブ・結合方法には、日本が開発した宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)と同じ方式が採用されている。
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、シグナス補給船のISSへの接近やISSからの離脱時、「きぼう」日本実験棟船内実験室に搭載されている近傍通信システム(PROX)の稼働状況を確認し、PROXの動作を確実に保つことによりシグナス補給船の運用を支援する。