【SOCIAL MEDIA WEEK 東京】情報氾濫の時代、未来のメディアは「何を語らないか」が重要に

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左は朝日新聞メディアラボ竹下隆一郎氏。右は東京都現代美術館のチーフ・キュレーター長谷川祐子氏
左は朝日新聞メディアラボ竹下隆一郎氏。右は東京都現代美術館のチーフ・キュレーター長谷川祐子氏 全 13 枚 拡大写真

伝えたいのに伝わらない。伝えているのに伝わらない。

【画像全13枚】

五感を駆使するアートも、文字をつらねるジャーナリズムも、共通してこの課題に悩んでいる。ワタシから誰かへの表現なのは、アートもジャーナリズムも同じ。表現ならば「伝えているのに伝わらない」のでは無意味だ。では“伝わる”表現にするにはどうすればよいのか。

この課題を中心にチームラボ代表の猪子寿之氏、東京都現代美術館のチーフ・キュレーター長谷川祐子氏、朝日新聞メディアラボ竹下隆一郎氏の三人がパネルディスカッションをおこなった。テーマは「アートとジャーナリズムの未来形~社会問題をどう提示し共有するか?」。

◆今求められるアーティストのフィルター NASAとスプツニ子のコラボも

「伝わる表現」は重要だ。

なぜなら、ただ伝えただけでは「その97%は今夜眠ると同時に忘れられてしまうから。だからきちんと知識へと消化させ、“望めば思う”状態にさせる必要がある。さらに、そのためには五感に訴えるアートの視点も重要。なぜなら忘れ去られるか否かはボディコンシャスというよりはエモーショナルコンシャスの問題」(長谷川氏)だからだ。

また、表現されるものはなんでもよい。アートが扱える対象は無限に存在する。

一例をあげればNASAが宇宙開発の必要性を訴えるために、美術家であるスプツニ子と提携したケースもある。「NASAがしていることの意義、研究成果を多くの人が納得するところに落とし込むために、アーティストによるビジュアライジングが必要となったのだ」という(長谷川氏)。

スプツニ子は英国RCAで学んだクリティカルデザインを活かし、月面にハイヒールの足跡をつけるストーリーを動画にした。彼女の特徴は「決してファンタジ―ではなく起こりうる現実を提案すること」(長谷川氏)なのだとか。

◆社会問題をアートにする5色のpaint

アートは情報を伝わりやすいものに変える可能性をもつという。その定量的な効果は同講演では提示されなかったものの、上のスプツニ子の例はアートの力が認められた証拠のひとつと言えるだろう。

ではアーティスト達はつめたく味気ない情報たちをどのように変化させるのか。データ情報を解釈する際に大切なことはなにか。そのエッセンスは5つに集約される長谷川氏は説明する。

1.Non-professional にworkしているか(表現するときNon-professionalの人たちに伝える意図を明確にする)
2.つくられた図解・資料にたよらない(自分が図解化するプロセスで世界を体得する)
3.要素に着目する(最小限のエレメントで伝える)
4.根底にあるコンセプトは何か(人々は物語に飢えている)
5.かわいい、美しいこと

◆猪子寿之氏「マスメディアよりもソーシャルメディアに長く費やす時代」

アートによってジャーナリズムが今より人を惹きつけるようになることが期待される。以上の5つの要素がアート化にあたって大切な考え方だという。

最後に、これからの時代をいきる人にとってのジャーナリズム、及び表現についてチームラボ代表猪子氏が質問をうけ、コメントした。

猪子氏は「今の時代、表現が大きな可能性をひめている」と強調する。

「(インターネットが普及してから)誰もが発信できるようになっている。だれでも影響を与えられるような時代。自分の一歩で世界を変えられることを知ってほしい」と語る。

ジャーナリズムの未来形については「現在の若者がSNSなどのソーシャルメディアを、一方通行のマスメディアよりも長い時間使うようになっていることがすでに分かっている。したがって自分の近隣としかインタラクトしないようになるんだけど、昔そうだったから原点にもどっているのだとおもう」と発言。

したがってこれからのジャーナリズムは、「報道することに力を入れなくてもいいのではないか。究極的にはウィキぺディアのような一般の発言をどう守るかが大切になるはずだ。反対にマスメディアは何を言うべきでないかが重要となる」と指摘した。

《北原 梨津子》

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