20日、富士スピードウェイでの全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)公式合同テストは2日目を迎えた。開幕前最後のテスト日に、雨の中でトップタイムを記録したのは中嶋一貴。僚友のアンドレ・ロッテラーが2位に続き、この日はTOM’S勢の1-2となった。
2日目の天候は完全な雨。新車SF14+新エンジンのドライでのセッティングを進めたい各陣営には生憎の条件となってしまった。午前10時~12時と午後2時~4時30分の2回のセッションはいずれも途中、霧が濃くなっての視界不良による赤旗中断を挟むなどしながらの進行に。車両ストップによる赤旗中断も再三あったが、そんな断続的な走行のなかで2日目のトップタイム1分38秒551をマークしたのは一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S/エンジンはトヨタ)である。
「コンディションがチョコチョコ変わっていたので、今日は雨の中での(新車の)予習ができた、くらいのところですね。順番はあまり…(苦笑)」と、雨中のトップタイムについては景気のいい言葉が出てこない一貴だったが、ここまでのテストを終えての総合的な手応えは、「いいところにはいると思うので、あとはレースウイークをしっかりまとめることですね。運も含めて、うまく回ってくれればいいです」と好感触。「ただ、上の方にいる3~4人は相変わらず僅差だと思いますので、そう簡単ではないですよ。やりがいはありますけどね」と、実戦に向けての充実感も漂わせる一貴は、自身2年ぶりの王座獲得を照準に据えてのシーズンインとなる。
一貴のチームメイト、ロッテラー(#36)が1分38秒963で2位となり、PETRONAS TEAM TOM’Sが1-2独占。3位は1分39秒171のロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)で、雨でもトヨタ勢優位は変わらなかった。以下、7位までがトヨタ勢で、ホンダ最上位は1分39秒848で8位の元F1選手ヴィタントニオ・リウッツィ(#11 HP REAL RACING)。なお、前日にマシン炎上に見舞われた中山友貴(#2 TEAM 無限/ホンダ)はこの日、マシンダメージにより不出走だった。
SFの開幕前テストはこれで全日程を終了。この後は3月25日のシリーズ全体発表会(都内)を経て、いよいよ4月12~13日、鈴鹿サーキットで今季開幕戦を迎えることとなる。