欧州新型基幹ロケット『アリアン 6』最初の補助ブースター部品製造に成功

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欧州新型基幹ロケット『アリアン 6』最初の補助ブースター部品製造に成功
欧州新型基幹ロケット『アリアン 6』最初の補助ブースター部品製造に成功 全 1 枚 拡大写真

2014年3月20日、欧州航空宇宙企業エアバス ディフェンス アンド スペースは、2021年に初打ち上げを予定している新型基幹ロケット『Ariane 6(アリアン 6)』の補助ロケット外形をフィラメントワインディング成形で生産に成功したと発表した。

フランスが中心となって開発し、アリアンスペース社が打ち上げを担当する欧州の大型基幹ロケット、アリアンロケットは現行の「アリアン 5 ECA」、搭載能力を増強した「アリアン 5 ME」(2017年打ち上げ開始予定)を経て、アリアン 6が2021年に登場する予定だ。アリアン 5よりも搭載能力は小さくなるものの、30~40パーセントのコストダウンが可能で、大型衛星を2機搭載するアリアン 5よりも幅広い打ち上げ需要に対応できる。

エアバス ディフェンス アンド スペースは、今年2月13日にESA 欧州宇宙機関と6000万ユーロの契約のもとに、アリアン 6ロケットの開発を開始している。

今回、製造に成功したのはアリアン 6ロケットの第1段の周囲に取り付けられる補助ロケット(ブースター)の外形部品。モーターケースと呼ばれる部品で、固体燃料を使用するブースターの燃料タンクであり、ブースター本体でもある。ブースターはアリアン 6の基本形態では2基取り付けられ、取り付け数を調整して複数の形態に対応する。

モーターケース製造には、FRP(繊維強化プラスチック)製造手法のひとつ、フィラメントワインディング成形を採用した。樹脂に浸した単繊維を金型に巻き付け、硬化させて成形する方法で、円筒状の圧力容器製造に向いている。アリアン 6のモーターケースは、同手法を採用した製品として欧州では最大級になるという。

エアバス ディフェンス アンド スペースは、エアバス社の傘下で仏アストリウム社とエアバス ミリタリーのの合併によって誕生した。欧州最大の防衛・航空宇宙企業で従業員は4万名、年間売り上げは140億ユーロにのぼる。

《秋山 文野》

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